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今回は西川善文さん著『ザ・ラストバンカー』の感想をまとめます。
三井住友銀行の元頭取かつ日本郵政の元社長を務めた西川善文さんの自叙伝です。是々非々で物事を推し進めた西川さんの苦難の社会人人生は、大変参考になりました。
ぜひご覧ください!
目次:
西川善文さんとは?
著者である西川善文さんの経歴を簡単に説明します。
1938年奈良県で生まれた西川さんは幼少のころ第二次世界大戦の空襲を体験しました。小学校から勉強の成績は良く、高校のころから新聞記者を目指していました。東大受験を考えていたものの、受験直前で風邪をひいてしまい、大阪大学法学部に入学。入試の成績はトップでした。
大学に入ってからも新聞記者の夢は持ち続けていましたが、友人の誘いで住友銀行の面接に行くことに。のちの頭取となる人事部長の磯田一郎さんに見初められ、そのまま内々定を受けました。自営業をしていた父が住友銀行への入社を喜んだため、入社を決め大阪の大正支店に配属になりました。
3年ほど外回りの営業(当時は自転車にまたがり、預金集めが業務内容でした)をおこない、本部の調査部に異動になりました。ここでの仕事ぶりが認められ、仕事の自信をもつことになります。
その後大阪本店の審査部の企画部門に異動。そして36歳で融資部次長に就任。安宅産業の経営実態調査の特別チームに入り、磯田一郎副頭取がトップの中で実働部隊を担当しました。その後も多くの部長を拝命しながら、順調にキャリアを歩み、52歳のころ磯田会長の退任をもとめる要望書をまとめました。そして53歳で専務入りし、都市銀行最年少専務となりました。
58歳で住友銀行の頭取に就任し、さくら銀行との合併や自己資本増強のためのゴールドマン・サックスからの資金繰りなどを実施。67歳の2005年に業績の下方修正の責任を取って退任しますが、同年11月に民営化した日本郵政の初代社長に内定、2006年に就任しました。
目の前の仕事を着実にこなした結果、若くして次長や部長、専務といったポストに就き、変化の多い銀行業界を乗り切った敏腕バンカーでした。
概要
本書の概要は、西川さんの子供から就職までのエピソードと、就職後の銀行員時代のエピソード、そして日本郵政時代のエピソードに分かれています。その中でも大きく取り上げられていたエピソードは下記のとおりです。
- 安宅産業の経営実態調査~伊藤忠との合併交渉
- イトマン事件~磯田会長退任要望
- 三井住友銀行発足
- ゴールドマンサックスによる増資検討依頼
- UFJ銀行の争奪戦
- 日本郵政時代の鳩山総務相との対決
年を重ね、役職が上がるにつれて、西川さんの決断力や当時の葛藤が伝わるエピソードが多いです。とりわけ日本郵政時代のエピソードは、もちろん一面からの主張ではありますが、政治家のいやらしさが分かる内容でした。
感想
まるで半沢直樹のような人でした。
入社時の面接官で、後に会長になった磯田一郎さんに対して、部長会議を招集し引退を迫るストーリーはまさにドラマのようです。長いものに巻かれるのではなく、正しいことと合理性を追求し、推し進めていく力強さを本を通して感じました。
なぜそこまで西川さんが是々非々で物事を進めることができるのかをもっと知りたくなりました。私は正直なところあまりルールを重視しません。結果的にうまくいくのであれば、片目をつぶってもいいのではないかと思ってしまいます。もちろんすべての物事に対してではありませんが、西川さんは少なくともすべての仕事においてはっきりと信念がありました。それは生活環境からくるバックボーンがあるのか、もしくは成功体験などから仕事における使命感をもつことができたからのか。自分も一皮むけるためには、目の前のことを丁寧且つスピード感をもって一所懸命にやることだと思います。まずは行動を行い、その後に点と点がつながるような結果につながると信じて頑張ります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
また次回のブログでお会いしましょう。