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今回は『眠れなくなるほど面白い 図解 脳の話』の感想をまとめます。
著者は脳科学者として有名な茂木健一郎さんです。一見すると難しい脳の話を具体例も交えわかりやすく解説されていました。
ぜひご覧ください!
目次:
本の概要
本書は脳についての基礎知識が具体的事例とともに紹介されている本です。構成は下記5章立てとなっています。
- 脳の取扱説明書 脳の基礎知識
- 脳は成長する 脳力を最大限に発揮させる方法
- 脳はひらめく これからはひらめきの時代
- AIと脳の未来 AI時代の脳の活かしかた
- 脳の働き 脳機能の一部を覗いてみよう
大脳や小脳、運動野、視覚野などの専門的な知識もバランスよくいれつつ、わかりやすく脳について理解することができました。脳についての導入本として手に取り、詳しく興味が湧けば茂木健一郎さんの別の著書を読むとよいと感じました。
脳科学的な頭の良さ
茂木健一郎さんは本書の中で、脳科学的な頭の良さとは他人とうまくやっていけることと定義しています。他人の心を読み取る能力というのはAIやコンピュータと人間の能力を分ける大きな要素になります。また、ほかの動物と比較しても人間の社会的知性=空気を読む力は群を抜いており、厳密な意味で他人の心を読み取ることができるのは、すべての動物のなかで人間だけだとされています。
純粋な知識量などで頭の良さを測りたくなりますが、人間にとっての大切な頭の良さとは、コミュニケーション能力であると気づくことができました。
また本書の中で地頭の良さについても言及されています。イギリスのチャールズ・スピアマンという心理学者がg因子というものが高い人が様々な分野で学力が高いことを統計的手法によって示しました。つまりg因子が高い=地頭がよいといえます。
そしてg因子の高い人は前頭葉の集中力の回路がよく動くことがわかり、集中力を鍛えることがg因子を高めることにつながると本書では考えています。その集中力の高め方ですが、ノイズのあるところで集中する環境を作ることです。例えば居間での学習がそれにあたります。
頭の良さの定義を再度考え直すきっかけになりました。
脳の豆知識
また本書では脳のちょっとした豆知識が多く紹介されています。その中で印象に残ったものをいくつか紹介します。
- 脳のメモリは4テラバイトのハードディスク相当(HD品質の映像約13.3年分)
- 神経細胞をつなぐと地球25周分
- 脳の酸素消費量は全身の20%分、エネルギー消費量は25%分
- 一目ぼれとは偏桃体の情動反応が先に反応する状態
- 計量できないものを「クオリア」といい、見ている赤色が他人と同質といえない
脳の機能を定量的に理解できるといかに特殊で大切な部分かが理解できます。また一目ぼれが脳科学的に説明がつけられる可能性があることや、「クオリア」といったある種哲学的な概念にも触れることができ、面白かったです。
感想
学歴主義的な社会の中で、頭の良さを再定義できたことは非常に良かったと思います。また、ドーパミンによる強化学習という脳の特徴があることも知ることができて良かったです。私は行動を習慣化することが不得意ですが、自分で小さな課題を設定し、すこしずつ成功体験を積み重ねることでドーパミンを出し、習慣化できるように生活したいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
また次回のブログでお会いしましょう。