27歳からのどっこいしょブログ

会社員。ブログ歴3年目。現在30歳。国際結婚。長野県。読書感想や思ったことを記録していきます。

【読書感想】『「北京化」する香港の命運』を読んで

「北京化」する香港の命運

「北京化」する香港の命運

当記事にお越しいただき、ありがとうございます。

今回は加藤嘉一さん著『「北京化」する香港の命運』の感想をまとめます。一国二制度の中、自由な資本主義の雰囲気の中で発展してきた香港。その香港に中国共産党の影響力が色濃くなってきている流れを知ることができました。

ぜひご覧ください!

 目次:

本の概要

高校卒業と同時に北京大学に入学した著者の加藤嘉一さん。彼が中国で生活した中で香港は自由と資本主義の象徴の意味合いがありました。1997年に香港が返還され、鄧小平の指導のもと、一国二制度の中でアジアの金融センターとしての地位を確立しました。そして流ちょうな英語と広東語を話す香港は、共産主義の中国とは一線を画す存在として、中国人の羨望の的となりました。

しかし、習近平政権に入ると、香港に対する中国の態度に変化が生じてきました。中国共産党の影響力を次第に強めていきます。その結果2019年の逃亡犯条例への反対や「五大要求」を掲げたデモが行われます。そのデモに対し、中国共産党の治安警察部隊が投入され、香港の「北京化」が進む結果となりました。

一国二制度について

香港と中国の関係を語るうえで欠かせない、一国二制度についてまとめます。

香港はアヘン戦争以来イギリスの植民地として統治されてきました。第二次世界大戦後も中華民国に返還されず、1997年までイギリス統治が続きます。イギリスが香港返還の交渉相手として中華人民共和国を選び、英中共同声明の中で一国二制度の原理のもと、特別行政区として、軍事防御以外のすべての事柄において高度な自治権を有することになりました。

香港基本法により、返還から50年間は一国二制度が維持されることになっています。もともと一国二制度は中華民国の実効支配下にある旧台湾省と旧福建省を中華人民共和国に併合するための構想です。ただし現在では香港と、旧オランダ領だったマカオに適用されています。

中国と台湾の関係について

続いて中国と台湾の関係についてまとめます。

1911~12年の辛亥革命によって清朝が終了し、袁世凱のもと中華民国が設立しました。アジア初の共和制の国となった中華民国は袁世凱の死後各地で軍閥が乱立し、内乱状態になりました。1920年代になると中国国民党(国民政府)と中国共産党は対立するようになります。蒋介石が率いる中国国民軍と毛沢東率いる紅軍は、日中戦争時には国共合作として強調することもありましたが、1946年に国共内戦がおこり、1949年に中華民国政府は台湾に逃避することになりました。

それから現在まで中華人民共和国と中華民国(台湾)は冷戦状態となっています。一国二制度の考え方は台湾を統合するための考え方として登場しました。中国側は台湾を中国の一部と認識しており、台湾は独立した立場であると認識しています。本書の中でも著者が国際的なフォーラムの中で、「台湾に対し一国二制度の中で発展する方法を検討すべき」と発言し、批判を受けたと語られています。

感想

私には中国人の妻がいますが、このようなセンシティブな政治問題はあまり話してきませんでした。しかし、中国共産党の動きを知り、外部からみた時の視点をもつことは有用だと思います。もちろん本やニュースの内容ばかりではなく、妻の話や中国の内側から見た視点も取り入れ、自分の考えを深堀していきたいと思います。

また本書の中に出てきた、「中国では漢方の考えから冷えたビールは出ない。そのためキンキンに冷えたビールが香港で出されるときに資本主義を感じる」という内容は非常に面白かったです。ほかにも香港が望む日本やアメリカの立場として、自由を脅かす共産党からの内圧に対し、外部からのプレッシャーをかけてほしいといった事情も書かれていました。香港の人の民意かどうかはわかりませんが、日本がもつ外部への影響力や立ち位置も、意識すべきことが理解できました。

ちなみに著者の加藤嘉一さんは北京大学に留学後、中国にて言論活動を行ってきました。もともと東大合格をけって北京大学に入学したという経歴詐称があったものの、その行動力は見習うところが多く、私自身も外に飛び出して経験が必要だと再認識しました。 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

また次回のブログでお会いしましょう。