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今回は『眠れなくなるほど面白い 図解 カラスの話』の感想をまとめます。
最近はあまり見なくなったカラスですが、本書を読むことで少し優しくしてあげようという気持ちになりました。笑
ぜひご覧ください!
目次:
本の概要
本書は悪いイメージを持たれているカラスに対し、カラスの生態と知識をまとめた本です。構成は下記5章立てとなっています。
- はじめてのカラス学
- カラスのライフスタイル
- 知っておきたいカラスの事情
- 世界カラス物語
- カラスの家庭と子育て
カラスの種類や行動原理などから学ぶことができ、だんだんとカラスに対しての悪い感情が薄らいでいきます。そして最終的にはカラスもほかの野鳥と同じだと思い、スズメやハトをみるような気持ちで接することができるようになるでしょう。
また細かい知識として鳥全般の修正として、飛ぶ前に体を軽くするためにフンをすること、体を清潔に保つためアリをこすりつける「蟻浴」という行動があることを知りました。鳥類の生態系についてあまり知らなかったため、自分の常識を広げる意味でも良書でした。
カラスの一生
カラスの行動原理と一生について紹介します。まずカラスは孵化してから40~50日ほどで独り立ちできるようになります。ちなみに著者の松原さんによるとカラスのヒナは目つきが悪く、あまりかわいくないそうです。ヒナは親からの食事を巣の中でもらいます。ヒナに餌をやるためオスもメスも両方とも食料調達に駆け回ります。
ヒナを生み育てるのが3~6月ごろです。そして虫や人の残飯、動物の死骸などを餌として生きていきます。寿命は10~20年ほどです。カラス自体は世界中で見ることができますが、大都市に多くいるのは東京だけのようです。
人が寄ってきても逃げなかったり、黒く不気味な色で嫌われるカラスですが、著者曰く実際にはカラスもビビっているそうです。例として公園でお弁当を私たちが食べているところに、10mぐらいの巨人がこっちを見ているような状況だと説明していました。そのくだりの中で、「巨人が去って行ったらそのまま逃げずにお弁当を食べますよね?」と論拠を進めていましたが、私なら巨人に見られた段階で逃げると思いました。笑
つまり、カラスもほかの鳥同様にヒナが危険に合わない限り人間を襲わないとのことです。かつ逃げ出さなくてもビビっているため、むやみにカラスを怖がる必要はないと考えることができました。
カラスと神話
カラスは日本神話でも神の道案内をした生き物として神格化されています。ちなみに道案内をしたのは「八咫烏」といわれており、足が三本あり、日本サッカー協会のマークになっています。
北米先住民の神話では、どこからともなく狩りの餌によって来る習性から、オオカミとともに神格化されていたり、ギリシャ神話では太陽神・アポロンの従者とされていました。一方でキリスト教では嫌われており、オオカミとセットで羊飼いの天敵として描かれます。
またイギリスでは占星術師が「ロンドン塔からワタリガラスがいなくなるとき、王家に災いが起こる」と告げたため、ロンドン塔ではワタリガラスが数羽飼われています。飼育係はレイヴン・マスターと呼ばれ、近衛兵から選抜されたエリートとなっています。
このようにカラスは昔から人々の生活や信仰に結びついていた存在でした。また航海の際に鳥を連れていき、迷ったときは鳥を飛ばせてとんだ方向に進むという使われ方もしていました。それは鳥が陸地を見つけて飛んでいく習性をいかした昔の人の知恵でした。
感想
カラスに関する豆知識が一気に増えました。上記の中で紹介できませんでしたが、カラスは食べてもあまりおいしくないことなども触れられており、明日から使えるちょっとした知識を得ることができました。たまには息抜きの読書としてただ知的好奇心を満たすだけの本も楽しいなと思いました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
また次回のブログでお会いしましょう。