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今回は竹内一正さん著『イーロン・マスクの野望』の感想をまとめます。
電気自動車「テスラ」や「スペースX」など話題性のある会社の経営者であるイーロン・マスク氏の生い立ちや考えを学ぶことができました。
ぜひご覧ください!
目次:
本の概要
本書はイーロン・マスク氏のこれまで歩んできた人生と、これから為す出来事についてまとめた本です。下記8章立てになっています。
- 降臨ー南アフリカから来た男
- 難航ー人生最悪の時
- 前進ー未来を見る
- 信念ー宇宙への道
- 独創ーPCの電池で車を走らせる
- 異端ーロケット作りの革命
- 野望ー人類を火星に送り込む
- 運命ー地球を救え
ビットコインに対するツイートで価格の乱高下を興すほど、今注目を集めている経営者のイーロン・マスク氏。夢想家およびパフォーマー気質な人かと若干偏見交じりで見ていましたが、本書をみると理系の知識も豊富なバイタリティがありあまる人であることがわかりました。イーロン・マスク氏の入門書としては読みやすく、いい本でした。
イーロン・マスク氏の生い立ち
イーロン・マスクさんは1971年に南アフリカ共和国で生まれます。子どものころから本の虫で8歳でブリタニカ百科事典を全巻読破、小学校高学年になると10時間も本を読みふけることもあったそうです。
エンジニアの父と栄養士の母のもとすくすくと育ちますが、知識欲が旺盛で何かにつけて父親に質問をしました。10歳の時にためたお小遣いと父からの援助金でパソコンを購入すると、独学でプログラミングをマスター。12歳には開発したソフトを500ドルで販売していました。
8歳に両親が離婚し、母親の元で下の兄弟2人と計4人で暮らし始めました。17歳になるとカナダの親戚をたより、オンタリオ州にあるクイーンズ大学で勉強します。母親からの一切の資金援助がなかったため、1日1ドル以下の貧しい生活も体験しました。
その後奨学金を得て、アメリカ東海岸のペンシルバニア大学に編入し、経営学と物理学の勉強に勤しみました。そしてシリコンバレーの中心スタンフォード大学院に進学するや否や、インターネットブームの熱気にさらされ、2日で退学。弟のキンバル・マスクと一緒にオンラインコンテンツの出版ソフト制作会社「Zip2」を創業します。
24歳で作ったZip2をコンパック社に3億ドルで売却し、2200万ドル(約22億円)を手に入れます。そしてそのお金を元手に「Xドットコム」というインターネット決済サービス提供会社を設立。同様のサービスを展開していた「コンフィニティ」と合体し「ペイパル」が誕生しました。経営方針でもめて、オーストラリア旅行中に解任されましたが、その後最大手オークションサイトのeBayがペイパルを買収したことで、約1億7000万ドル(170億円)を手にします。
それを元手に宇宙ロケット企業「スペースX」を2002年に創業しました。またエバーハードが創業した電気自動車メーカー「テスラ・モーターズ」に2004年に出資すると同時に取締役会の会長となりました。そこから今日までの失敗と挑戦の日々が続きます。
一貫した野望
イーロン・マスク氏には一貫した野望「地球の危機に対し、課題を解決する」というものがありました。
スペースXは、人類に火星移住の可能性を広げるための会社であり、そのためにロケットの費用を10分の1にするというとんでもないロケットを設計し、飛ばしています。なぜ人類を火星に移住させるかというと、現在の地球では人口がかつてないほどに増加しています。そうすると限られた資源ですべての人間を賄っていくことが困難になることが予想されます。そのため、地球という限られた資源から選択肢を増やすべく、火星移住という解決策に向かって突き進みました。
また電気自動車のテスラにおいても地球規模での異常気象や温暖化に対する社会課題解決のための会社です。現在のCO2を排出して走るガソリン車に変わって、クリーンな電気自動車を普及させることができれば、限りある地球資源を使い切る時間稼ぎになります。イーロン氏は金銭面ではなく、あくまで社会課題の解決のため多くの困難にめげずに立ち向かっているのです。
感想
リーマンショックでテスラが経営的に厳しいときに私財を投じて危機を救うなど、社会課題の解決に全力で立ち向かうイーロン氏の本気度が伝わってきました。また注目度の高い2社の経営にかかわっているため、家庭では2度離婚していることを知り、これだけビジネスに集中している人で家庭とのバランスもとれていたら恐ろしいと思っており、少し同じ人間なんだと安心しました。笑
失敗を恐れずに前を向き、進み続けるタフさと、原理原則から考えてギリギリ可能な目標を設定する力は尊敬しました。私も後者の論理的に可能なギリギリの目標設定を意識し、日々トライ&エラーを繰り返していきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
また次回のブログでお会いしましょう。