27歳からのどっこいしょブログ

会社員。ブログ歴3年目。現在30歳。国際結婚。長野県。読書感想や思ったことを記録していきます。

【読書感想】『自衛隊式 最強のリーダーシップ』を読んで

自衛隊式 最強のリーダーシップの表紙

『自衛隊式 最強のリーダーシップ』

当記事にお越しいただき、ありがとうございます。

今回は石田英司さん著『自衛隊式 最強のリーダーシップ』を読んだ感想をまとめました!リーダーシップ論としてはありきたりな結論ではありますが、自衛隊の例を踏まえながらポイントをまとめられており、面白く学ぶことができました。

ぜひご覧ください!

 

目次

 

はじめに:なぜ自衛隊から学ぶ?

兵隊イメージ図

兵隊

リーダーシップが必要な場面として、皆さんはなにを思いますでしょうか?

サラリーマンであれば会社、学生の方であれば学校行事やサークル、バイト先などがあげられると思います。しかし、その中でリーダーシップを発揮している人で強く目的を達成することにこだわっている人はどのぐらいいるでしょうか。私の周りではあまり多くなかった印象です。

しかし自衛隊は違います。目的として戦闘に勝利することを掲げ、その目的が達成できなければ命を落とし、国が亡びます。そのため、幹部候補生全員がリーダーシップを叩き込まれます。軍隊と聞くとあまりいいイメージを持たれないかもしれませんが、その厳しさが必要な組織から、一流のリーダーシップを学ぶことで、ビジネスや一般生活にも役立つ情報があります。

Point1:任務分析が初手

分析のイメージ図

分析

すべての幹部自衛官が意識していることは、「任務分析」です。

「任務分析」とは上位方針や組織の目的・ミッションを理解し、それを達成するにあたり自分の所属する組織の役割を正しく理解することです。任務分析が正しく行われない組織は、目的に対する有効な打ち手が打てず、敗北必至となります。

ビジネスにおいても、自分の会社の目的・理念を理解し、それを達成するために自部門の果たす役割を明確に決めることで、限られた資源を効率的に活用することが可能になります。そして正しい任務分析が行われて初めて、正しい命令を下すことができるのです。ここで自衛隊の命令下達の具体的方法をお伝えします。

  1. 状況説明:組織がどこに向かっているかを説明
  2. 構想の提示:上位方針に沿った「自分はこうしたい」という内容を提示
  3. 各部隊への任務の明確化:部下にやってほしいことを具体的に明示
  4. 人事・兵站の提示:使えるリソースを共有
  5. 指揮・通信方法の明示:どこで指揮をとるかや、連絡手段を明示

上記の要素を含んだ正しい指示出しをするためにも、リーダーが任務分析することは必須となります。

Point2:目的を明確化せよ!

目的のイメージ図

目的

つづいてのリーダーシップを発揮する上でのポイントは、目的を明確にすることです。

目的に沿って目標や手段が作られます。そして目的を明確にすることによって、判断や行動にぶれをなくし、素早く実行できるようになります。

自衛隊の目標の原則は下記のとおりです。

戦いの究極の目的は敵の戦意を粉砕して戦勝を獲得するにある。このため、目的に対して決定的な意義を有する目標を確立し、その達成を追求しなければならない。

このように目的を明確に明文化しているからこそ、目標の達成を追求しなくてはいけないと説得力を持って語れるのです。

Point3:主導権を握れ!

日本騎兵の父 秋山好古

日本騎兵の父 秋山好古

戦争においても、最初の攻撃で相手を殲滅させることが最も効果的な戦闘になります。(もちろん自衛隊は専守防衛のため、ファーストアタックはできません。)そして先手を取って主導権を握った後は、そのまま主導権を握りっぱなしにすることが勝利することで重要と述べられています。

日露戦争で活躍した秋山好古(通称:日本騎兵の父)は初戦での勝利に徹底してこだわった人物でした。組織に負け癖がつくのを嫌がったそうです。対するロシアのクロンプトン将軍は有利な状況での勝負にこだわり、少しでも状況が悪くなると敗走し、状況を整えました。結果は皆さんもご存知の通り、国際世論の逆をいく結果に落ち着きました。

仕事においても先手先手で行い、自分が主導権を持った状態で行うことが目的を達成する上でも効果的です。

Point4:戦力を集中せよ!

桶狭間の戦い

桶狭間の戦い

戦いには決勝点となる重要な局面があります。リーダーは目的の遂行のため、その天下分け目の合戦を理解し、そこにおいて戦力を集中させることが重要です。

自衛隊の訓練においても、敵戦力を抑制する隘路(あいろ)に布陣することが奨励されています。全体の力では劣っていても、その場所における戦力が上回っていれば勝利することができます。

また織田信長が今川義元を破った桶狭間の戦いにおいても、戦力を集中させて勝利を収めた好例です。全兵力は今川軍2万に対し、織田軍は3000人でした。しかし決戦場となった桶狭間における兵力だけで見ると今川軍300人、織田軍2000人となっており、力関係が逆転していました。そして今川義元の首だけを狙った織田信長が勝利をおさめ、天下布武へ駆け上がっていきました。

我々はどんなに頑張っても一度にできることは1つです。そのため、目標達成に一番有効であることに対し、集中することが大切になります。

私の感想

自衛隊での訓練がいかに合理的で実践的であるかがよくわかりました。そして物事に勝利を収めるには合理性を徹底的に突き詰めた判断をできるよう、自分自身も鍛えなければならないと認識しました。

自分の心に残ったことはPoint3の「主導権を取れ!」ということでした。サラリーマンの仕事において、まだ自分の権限が少なく、気を抜くと上司主導での仕事になりがちです。しかし自分の目的を達成するためには自分から先制攻撃で主導権を握り、優位な状況をつくることが大切だと考えさせられました。そしてそのためにはまず任務分析(現状分析)を行い、上司や会社が望むアウトプットを正しく理解し、すり合わせをしたうえで主導権を握り、リソースを一点集中させようと思いました。

また決断の速さについても意識しようと思いました。自衛隊は「心手期せず体が動くようになったら本物」といわれているそうです。命を取り合う戦場では、判断のために考え込む数秒が生死を分けます。私は残念ながらそこまで緊迫感のあるサラリーマン生活になっていないため、自分で意識的に追い込み、即断即決を身につけなくてはいけません。ブログを書くことに対しても、目的を明確化し、書こうと思わずとも体が先に動くまで使命感を持ちたいと思いました!笑

私が今回この本を読もうと思った理由は、2020/3/9分の日経ビジネス『社員はなぜ育たない』の特集に自衛隊での幹部候補訓練の内容がコラムで載っていたためです。

日経ビジネスのコラム『陸上自衛隊幹部候補育成』

日経ビジネスコラム 陸上自衛隊幹部候補育成

本コラムにおいて、リーダーの資質として「品性」が挙がっていたため、どういう品性をつけるべきか知りたく思い、本書を購入しました。結果として「品性」の部分はあまり書かれていませんでしたが、目的=勝利を強く意識する習慣が身についたため、読んでよかったと思います。

もしよろしければその時の日経ビジネスの感想をまとめたブログも、ご覧いただけると嬉しいです。

www.jiujingrentang.com

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。