今回は6月3日発行分日経ビジネス『村田製作所なぜ最強なのか』の感想をまとめます。
■要旨:
営業利益率16.9%の村田製作所。コンデンサをはじめ、ショックセンサーや発振子などで世界シェアトップの商品を複数持つ。高収益を支える強さとして、①まねのしにくい部品②多様なスキルを持った人材③現場への権限移譲④机の下の研究(本業外の研究)がある。ITバブルが崩壊した危機的状況の中、創業者の言葉に原点回帰したことによって、自由な風土を取り戻した過去がある。次の成長モデルとして、車載と通信分野を挙げているが、その他にも電池事業の収益化に向けて研究を進めている。
■感想:
調達の人間として昨今知らない人はいないであろう「村田製作所」。パソコンやスマホの拡大により、電子部品産業が著しく伸びており、今後も車の電装化や5Gによる通信市場の拡大によって成長していくことは間違いないです。しかしながら、ほかの商品が韓国勢や中国勢の価格攻勢によって競争力を失ったように、セラコンも数年後には同じ道をたどるであろうと思っていました。
今回本誌の特集を読んで、上記の考えは甘そうだと思いなおしました。
1つ目の理由は、村田製作所では製造装置まで手掛けており、セラコンの製造にかなりのノウハウが必要であることです。もちろん海外勢からの引き抜きによる技術流出の懸念はありますが、本誌を見る限りでは村田製作所という企業そのものが居心地のよい企業のように感じ、お世話になった企業を売るようなことはしないのではないかと思いました。
2つめの理由は村田製作所の改善士という制度です。トヨタ自動車のように改善活動を専門にやっている職種の方です。現在の売り手市場の中では供給性にものをいわせ価格を上げることで利益率を上げることは可能だと思います。しかしその状況にあぐらをかくのではなく、日々のコストダウン活動も継続していることが、村田製作所のつよみであると感じました。
もともとセラコンを開発した背景が、既存の商売の同業者と被らない商品の開発をもとめてできたとも書いてありました。昔からブルーオーシャンを求め、参入障壁を設けてきたからこそ、現在ひいては将来の繁栄があるのだと納得しました。
最後に本の紹介です。今回のテーマは「わくわくしながら”科学する”」でした。