27歳からのどっこいしょブログ

会社員。ブログ歴3年目。現在30歳。国際結婚。長野県。読書感想や思ったことを記録していきます。

【読書感想】『アメリカの高校生が読んでいる経済の教科書』を読んで

アメリカの高校生が読んでいる経済の教科書

アメリカの高校生が読んでいる経済の教科書

当記事にお越しいただき、ありがとうございます。

今回は小川正人さん著『アメリカの高校生が読んでいる経済の教科書』を読んだ感想をまとめます。

経済活動を個人、企業、金融、政府、外国の5つの切り口からわかりやすく説明されており、大変理解しやすい良書でした。ぜひご覧下さい!

 目次:

 本の概要

経済における基本的な知識を体系的に学べる本です。本の構成は個人、企業、金融、政府、外国の5つの経済の主体者の活動から経済用語や規則を説明しています。それぞれの活動について軽く紹介します。

「幸福の最大化」を目指す家計(個人)

個人のお金のことについて、金利や給料、税金について解説しています。なかでも身近な金利について、複利の効果やローン金利、消費者金融の金利の高額さなどを理解することができました。

「利益の最大化」を目指す企業

企業の経済活動として、融資や株式発行、需要と供給による価格の決定などを開設しています。本章で印象に残ったことは、ヒト・モノ・カネといった生産要素があるだけでは企業の利益は最大化せず、起業家の存在が大切であり、アメリカでは早いうちから起業家を育てる教育プログラムがあると知ることができました。

また起業家を育てる経営学の大きな柱として下記4つがあることが理解できました。

  1. マネジメント(組織内部との関係)
  2. マーケティング(顧客との関係)
  3. 経営戦略(競争相手との関係)
  4. ファイナンス(簿記会計、資金調達など)

家計と企業の経済循環にお金を融通する金融機関

金融機関の経済活動として、預金、金利、ローンの審査内容などを解説しています。また中央銀行の働きとして、通貨供給量の統制、金利の誘導などがあります。

勉強になったことは中央銀行の金融緩和の方法についてです。金融緩和とは市場における通貨の流動数を増やすことを指します。ではどうやって流動数を増やすかというと、中央銀行が国債を銀行から購入することで、中央銀行から各銀行に通貨が流れます。それにより銀行側の融資余力を増やし、企業や個人への通貨流通量を増やします。

マイナス金利政策で、各銀行が中央銀行にお金を預けていると損をする構図を作って量的緩和を行ったことは認識していましたが、ほかにも現金と国債を交換することで流通量をコントロールしていることを学ぶことができました。

国全体の「経済成長の最大化」を目標とする政府

本章では政府の役割を下記6つと説明しています。

  1. 法律の枠組みを提供すること
  2. 自由な競争を確保すること
  3. 公共財(社会インフラ)を供給すること
  4. 外部性をコントロールすること
  5. 所得を再分配すること
  6. 経済を安定化させること

個人的に勉強になった考えは潜在GDPです。GDPの増加には生産要素の面で制限があります。生産要素とは、商品を生み出すのに必要な4つの資源(土地、資本、労働者、起業家)のことを指します。すなわちGDPを増加させ続けるには、現在の資源を100%使い切るだけではなく、土地(設備)、資本、労働者(力)、起業家(アイディア)のどれかを強化する必要があることが体系的にわかりました。

国民経済の利益の最大化を達成するための外国(貿易)

今までは国内経済に閉じられていた環境としての説明でした。しかし外国との貿易によって国としての利益の最大化が行われます。貿易を行う理由は、国内だけでは市場の限界があることに加え、材料産出などの生産要素の地域的偏在や、生産技術の地域的格差があるためです。

貿易を行う中では為替の変動が経済活動に影響を与えます。そのため、為替変動の要因、政府の市場介入についての解説があります。

72の法則

本書の前段部に紹介されている『72の法則』。私にとってこの内容が一番勉強になったため、シェアさせて頂きます。

72の法則とは、元金が複利で運用した際に何年で倍になるかが分かるという法則です。

例えば、元金100万円を3%の複利で運用した場合、72÷3=24年で200万円に増えるとわかります。また72の法則が頭に入っていると、ニュースなどのGDP成長率についても感じ方が変わります。中国の2015年のGDP成長率が7%でした。72の法則を当てはめると、72÷7≒10年です。つまり中国が2015年から毎年7%の成長率を続けた場合、10年後にGDPが倍になることを意味します。実際に中国のGDPはその後6~7%で推移しているため、2025年に倍になることも可能性としてはあり得ますね。ちなみに2015年の中国のGDPは11兆ドル(1155兆円)、アメリカの18兆ドルに次ぐ第2位です。日本は4.4兆ドルの第3位でした。

72の法則は数式上では「69の法則」のほうが正しいようです。しかし、69は約数が少なく計算が煩雑であるため、72の法則が広がりました。なので皆さんも何か計算する際は69~72の間の計算しやすい数値を使えば、おおよその目安をつけることができます。

感想

うわべだけ知っているような知識も、わかりやすく実例を交えて紹介されており、大変勉強になりました。中央銀行の仕組みや量的緩和については株式投資をやっているものとしては知識が乏しかったため、理解できてよかったです。

また今回アメリカの高校生シリーズの本を図書館で一気に借りて読むことにしました。そのきっかけがキムローさんのブログになります。若くして株式投資の有益な情報を発信されているので、ぜひ投資家の皆さんはチェックしてみてください!

www.kimuroulab.com

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

また次回のブログでお会いしましょう。