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今回は宇佐見りん著『推し、燃ゆ』を読んだ感想をまとめます。
2021年1月20日に発表された第164回芥川賞受賞の話題作です。ぜひご覧ください!
<目次>
あらすじ
高校生のあかりはアイドルを推すことに生きがいを見出していた。精神的な病にかかり、学校やアルバイト、家庭などでうまく生活することができない中でも、推しのアイドルを理解し、解釈することでを日常生活をこなすことができた。しかし推しのアイドルが炎上し、突然アイドルの引退を発表する。生きがいにしていた存在がなくなった自分を見つめ直し、もがきながら生きていくしかないと悟る。
著者紹介
本書の解釈に著者の情報もあるとよいと感じたので、宇佐見りんさんについてまとめました!ただし、ネットにある情報をまとめただけですので、信憑性に欠ける部分もあるかもしれませんのであしからず、、
著者の宇佐見りんさんは1999年5月16日生まれの21歳です。大学に在学中で芥川賞受賞者としては綿矢りささん、金原ひとみさんに次ぐ3番目の若さでの受賞になります。(定かな情報ではないのですが慶応義塾大学の文学部に通っているとの情報もあるようです。)
2019年にデビュー作『かか』で文藝賞と三島由紀夫賞のW受賞を果たし、2作目で芥川賞を受賞されました。「高校の頃に私生活が立ち行かなくなり、学校に行くのが難しい時期があった」というインタビューがあったり、高校卒業後バイトでためたお金で熊野に一人旅をした等、自身の経験や気持ちがストレートに小説に昇華されている作家の一人です。
感想
人の感情の弱い部分にとことん向き合った本でした。情報過多のこの時代では内省する時間も無くなってしまっていたため、感情に向き合うことができるいい機会になりました。
作者の宇佐見りんさん自身の葛藤や生きづらさを描いているようにも感じます。
本書の主人公のあかりは推しのアイドルの情報をすべてチェックし、アイドルの情報を解釈することで自己の中に推しを取り入れています。その作業は不完全な自分、なにもできないからっぽの自分を必死になにかで埋めようとしている行動に思います。
私自身もSNSや音声メディア、読書などの外部の情報をいれることで、自分の空虚さを満たそうとしている節があります。家にいるときはラジオや音楽、Youtubeを流しっぱなしにしています。
この本の最後に「這いつくばりながら、これがわたしの生きる姿勢だと思う。」という一文があります。自分のみじめさ、足りてなさを直視し、それを受け入れる。不十分さを常に抱え、現実逃避をするのでなく、愚直に生きるしかない。そんな当たり前だけど、知識が増えるにつれて避けてきてしまった生き方が大切だと噛みしめることができました。
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本日もありがとうございました。
また次回のブログでお会いしましょう。