27歳からのどっこいしょブログ

会社員。ブログ歴3年目。現在30歳。国際結婚。長野県。読書感想や思ったことを記録していきます。

【読書感想】『論語コンプリート』を読んで

論語コンプリート

論語コンプリート

当記事にお越しいただき、ありがとうございます。

今回は野中根太郎さん著『論語コンプリート』を読んだ感想をまとめます。孔子の言葉をまとめた「論語」の原文と書き下し分と日本語訳のすべてが参照できる1冊です。私のような論語初心者には非常に読みやすく、生活の襟を正すのに最適でした。ぜひご覧ください!

 目次:

 本の概要

今から約2600年ほど前の中国は春秋戦国時代と呼ばれ、多くの国が乱立していました。争いの多い世の中をよりよく統治する方法を各国で売り込む諸子百家と呼ばれる人たちが活躍した時代です。その中の一人として、礼儀と思いやり(仁)を重視する儒家の代表が孔子でした。

その孔子の言行録が「論語」です。本書の中には498個の言行が入っています。孔子が論語の中で語っているのは、君主の在り方、仁とはなにか、礼の大切さなど、今の世の中にも応用できる普遍的真理です。

次章では論語の言行録の中で特に印象に残っている3つを紹介します。

 

各年代のテーマ

子曰く、我十有五にして学に志し、三十にして立ち、四十にして惑わず、五十にして天命を知り、六十にして耳順い、七十にして心の欲する所に従って矩を踰えず。

「15歳で志を立て、30歳で一人立ちし、40歳で生き方に迷いがなくなり、50歳で天命を知り、60歳で何を聞いても素直に受け取れるようになり、70歳で自分の思い通りに行動しても行き過ぎるということがなくなった。」

私の人生のテーマと言っても過言ではない名文です。今年三十歳になったときもこの一節を思い出し、一人立ちしなくてはならないと強く感じました。また各年代のテーマについては、その年代になったらそうなっているわけではなく、そうなっていなくてはならない到達地点だと思います。まずは30歳の今、仕事や生活においても甘えることなく自分の力だけで切り開いていけるようになります。

成長を止めない

子日く、苗にして秀でざる者有るかな。秀でて実らざる者有るかな。

意味は「すくすく成長したと思ったら、途中で止まってしまう人がいるものだ」という意味です。30歳を迎えた私ですが、ふと気を抜くと現状維持でもよいのではないかと考えることがあります。衣食住で充足しているからこそ、そう思うのですが、現状維持をしているなと思ったら要注意だと思っています。

人生においては長い年月の中で継続的に成長していくことが、最も成長する唯一の方法だと感じます。自分はまだまだ苗や穂をつける段階であり、実をつけるまで一歩一歩成長していこうと思える一文でした。

孔子の仕事ぶり

公門に入るには、鞠躬如たり。容れられざるが如し。立った門に中せず、行くに閾を履まず。位を過ぐるには、色、勃如たり。足、躩如たり。其の言は足らざる者に似たり。斉を摂げて堂に升るには、鞠躬如たり。気を屏めて、息せざる者に似たり。出でて一等を降れば、顔色を逞ち、怡怡如たり。階を没して趨り進むには、翼如たり。其の位に復りては、踧踖如たり。

意味は「孔子は宮殿の門に入るときは、恐縮そうにかがんで入った。門に立つときも中央は避け、門の敷居を踏まないようにした。門内の君主の定位置を通る際は、顔は引き締まり、足を素早く動かし、私語は全く話さなかった。君主がいる場合に堂にのぼるときは裾をあげて、丁寧に動作をおこなった。緊張した様子で息をひそめているようだった。君主の前から下がる場合は、顔から緊張が取れていき、晴れやかなな顔になった。階段を降りると存分にリラックスした。そして自分の位置に戻ると落ち着いた様子に戻った。」というものです。

孔子のような徳の高い人物でも、礼というルールのもとではそれに則り振る舞うことが分かり、親近感がわきました。決して高尚な教えではなく、現代の日本文化で当たり前とされている内容をすべて押さえることがポイントであり、難しいことだと再認識できました。

感想

論語については、教科書でも有名な一説は習うため、なじみ深いものもありました。しかし食についても、細かなこだわりがあることが書かれており、何歳で読んでも何度読んでもその時々の発見がある本だと感じました。ちなみに食べ物へのこだわりは、腐ったものは食べない/旬な食材を食べる/食材にあった調理法、味付けをする/主食以上のおかずは食べない/食べる前に感謝をささげる/お酒は好きでたくさん飲むが酩酊状態にならない、といった内容でした。

また中国の昔の儀式や音楽についてもしきたりを守ることが大切であると述べている文言が多く見受けられ、当時の時代背景を感じることができました。諸子百家の時代に生まれた孔子の、実世界から離れていない教えだからこそ、現代まで残り続けているのだろうと感じました。

少なくともあと3回は論語を読み返したいと思います。ほかにも別の方の日本語訳版も交えながら、自分の成長を止めないように日々を生きていこうと決意できました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

また次回のブログでお会いしましょう。