27歳からのどっこいしょブログ

会社員。ブログ歴3年目。現在30歳。国際結婚。長野県。読書感想や思ったことを記録していきます。

【読書感想】『バッタを倒しにアフリカへ』を読んで

今回は前野ウルド幸太郎さん著『バッタを倒しにアフリカへ』を読んだ感想をまとめます。

 ■要旨:ファーブル昆虫記を読んで昆虫博士を目指した著者。サバクトビバッタが起こす蝗害(こうがい)をなくすため、語学もままならないままアフリカに乗り込んだ作者の奮闘記である。

 

■感想:人の情熱の大切さを再認識するとともに、他人に伝える力が人生では重要であることを身に沁みました。

 自分の研究対象である昆虫(バッタ)のことを書くのではなく、私たち一般人でも感情移入がしやすいようにエピソードが書かれています。また自分がどのような人かを単純化、デフォルメし、読者の理解がスムーズになるように構成されていました。単純な本としての面白さもさることながら、その完成度の高さに心を打たれました。

 また研究者とはどのようなものかも読んでいてわかることができました。バッタの大群に出会わない際に大量に捕まえることができた別の虫の研究を始めたり、実験装置を自作し、仮設に基づいたデータを集める作業を行ったりと、文系だった自分にとって新鮮な世界でした。ポスドクの厳しさも軽快な書きっぷりですんなりと理解することができました。

 自分も使命感に燃え、圧倒的な熱量で取り組めるものを見つめなくてはならないと感じました。

 

作者の人柄の良さも伝わってくる大変良書でございました。