27歳からのどっこいしょブログ

会社員。ブログ歴3年目。現在30歳。国際結婚。長野県。読書感想や思ったことを記録していきます。

【読書感想】『アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書』を読んで

アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書

アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書

当記事にお越しいただき、ありがとうございます。

今回は『アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書』の感想をまとめます。

アメリカの高校生が学んでいるシリーズで読んだ3冊目の本です。個人的には内容の網羅性と実用性の面で、シリーズの中でも最も読んでよかったと思えた本でした。ぜひご覧ください。

 目次:

  概要

本書はお金にまつわる基本的な知識について、以下の14章でまとめています。

  1. お金の計画の基本
  2. お金とキャリア設計の基本
  3. 就職、転職、起業の基本
  4. 貯金と銀行の基本
  5. 予算と支出の基本
  6. 信用と借金の基本
  7. 破産の基本
  8. 投資の基本
  9. 金融詐欺の基本
  10. 保険の基本
  11. 税金の基本
  12. 社会福祉の基本
  13. 法律と契約の基本
  14. 老後資産の基本

「お金とはあくまで理想的な生活を行う手段である」という前提を語ったうえで、お金にまつわる網羅的な知識の説明が各章であります。その中で私が個人的に参考になった部分を次章で述べます。

ポンジスキーム

第9章「金融詐欺の基本」で紹介された詐欺手法です。正式名称はピラミッドスキームといいます。いわゆるネズミ講のようなもので、チャールズ・ポンジ氏がこの手法を使った詐欺行為を行ったことから、ポンジスキームという名が付きました。

1900年代の初め、銀行員だったチャールズ・ポンジ氏は、自分の銀行が他行より2倍の利息を払うため、顧客がどんどん増加していることに気がつきました。しかし彼の働いている銀行は結局利子を払えなくなり、オーナーは残ったお金をすべて持って逃げてしまいました。このことで閃きを得たポンジ氏は、国際返信切手と為替レートの違いを活用すれば、大儲けできるとうまい話をでっち上げ、3か月で資金を倍にすると約束しました。ポンジ氏は、切手の取引では倍にできるほどのもうけが出なかったため、新規の投資家のお金を初期の投資家へのリターン費用として当てていました。この実際には利益が出ていない自転車操業の運用は世間にばれ、ポンジ氏は投獄されてしまいました。

今の世の中でもうまい話は転がっていないこと、過剰な勧誘は怪しいということを再認識できる内容でした。詐欺を見分ける手掛かりは、①リターンが高すぎる②運用成績が安定しすぎていることだと理解できました。

デリバティブ

第8章「投資の基本」にでてきた用語です。デリバティブは「Derived=派生」という意味からきた言葉であり、日本語では「金融派生商品」といいます。金融派生商品とは、株式や国債などといった金融商品(原資産)の値上がりや値下がりの動き以外の「条件」を取引する商品になります。

例えば1株100円の株を3か月後に100円で買える権利や、現在500円の金を半年後に500円で売れる権利などのことを指します。デリバティブには目的が2つあります。1つは将来の変動に対するリスクヘッジです。為替リスクなどを避けるために、将来の為替を固定したり、価格変動リスクを避けるため商品の価格をあらかじめ決めておきます。2つめは投機目的です。デリバティブの取引はレバレッジという、自己資金以上のお金を動かすことができるため、自分では背負いきれないリスクを負うことになります。

ビジネスにおいてはリスクヘッジの優れた味方になるデリバティブですが、商品として原資産の売買よりも複雑であることから、投機目的で行うことは避けたほうがよいと本書では述べています。

 

以下のサイトでデリバティブの詳しい説明が載っているので、興味のある方はぜひ勉強してみてください。

www.shiruporuto.jp

民事訴訟

第13章「法律と契約の基本」で書かれていた内容です。刑事訴訟と民事訴訟があり、個人やビジネスにおける問題は民事訴訟になります。その民事訴訟の具体的な流れが本書に書かれていました。

民事裁判の場合、まず原告が訴状を提出し、訴訟の内容を説明します。内容は、被告は何をしたのか、それによって原告はどのような損害を受けたのか、どのような賠償をもとめているのかなどです。その際の前提としてすべての訴えには法的な根拠がなくてななりません。次に被告側は一定期間のうちに「答弁書」とよばれる返答を行います。答弁書を期間内に返答しない場合、欠席裁判となり、原告に有利な判決がでて裁判は終了です。被告が答弁書を提出したら、次は双方が証拠を開示する「ディスカバリー」と呼ばれる段階に移ります。ディスカバリーが完了したら、「トライアル」とよばれる法廷での審理に入ります。トライアルで双方が証拠と主張を提示し、その後で判事か陪審員がどちらの主張が正しいか判断し、法が適用され、裁判の勝者が決まります。

実際に裁判の具体的な流れを知ることがなかったので、イメージすることができて良かったです。人は知らないことを実施することにハードルがありますが、なんとなくでもわかっていると心理的ハードルも下がります。自分の選択肢を増やすという意味で良い経験になりました。

感想

資本主義社会のなかでお金の知識は必須であるため、大変参考になる1冊でした。

当記事では詳しく触れることはできませんでしたが、そもそものお金の存在として「交換の手段」「価値の保存」「価値の尺度」の3つの役割があることも整理して理解することができました。お金はあくまで手段であることを忘れずに、賢くお金と付き合っていきたいと思います。

また本書の中に自己破産の章も入っていました。章自体は短いものでしたが、選択肢の一つとして自己破産についての知識を持つことも大切だと思います。(もちろんベストは自己破産をしないことです。)お金に対する知識について範囲を絞らずに教えていることが非常に意味のあることだと感じました。

本日もご覧いただき、ありがとうございました。

また次回のブログでお会いしましょう。