27歳からのどっこいしょブログ

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【読書感想】『吉田沙保里 強さのキセキ』を読んで

吉田沙保里 強さのキセキ

吉田沙保里 強さのキセキ

当記事にお越しいただき、ありがとうございます。

今回は長岡武さん著『吉田沙保里 強さのキセキ』の感想をまとめます。

東京オリンピックで多くのアスリートが感動を与えてくれました。そんな中選手たちはどんな心境やトレーニングを積んで結果を残しているのか知りたくなり、この本を手に取りました。霊長類最強女子も血の滲むトレーニングの賜物であることがよくわかります。

ぜひご覧ください!

 目次:

本の概要

本書は情熱大陸などを手掛ける著者の長南武さんが北京オリンピック終了後ロンドンオリンピックにかけて3連覇を目指す吉田沙保里さんを取材したドキュメンタリーです。構成は序章とエピローグを除くと下記8章構成です。

  1. 戦闘開始(2012年1月~)
  2. 女王のルーツ(1982年~)
  3. 狂騒の日々(2012年1~3月)
  4. 栄の傷~負の経験値を伝える
  5. 女王の涙(2012年4~5月)
  6. 回帰と再起(2012年6~7月)
  7. 試練再び(2012年8月)
  8. 勝利の影に(2012年8月9日)

オリンピック三連覇や世界大会16連覇の大記録を打ち立てた吉田沙保里選手の葛藤や裏での厳しいトレーニングを知ることができました。世界一を取りに行く、そしてそれを取り続けるために必要な努力量を垣間見ることができ、刺激を受けました。

吉田選手の下積み時代

吉田選手がレスリングを始めたのは父栄勝さんの影響です。栄勝さんはレスリングの元日本チャンピオンであり、自宅にレスリング道場を開いていました。そこで3歳からレスリングを始めることになります。

毎晩19時から2時間の練習。そのうち1時間半をタックルに費やし、ちゃんとやらないと鉄拳や竹刀を振るいました。練習は360日以上で吉田選手はしょっちゅう泣いていました。吉田選手自身辞めたいと思ったことはしょっちゅうありましたが、父に言いに行っても断られるだけだと、毎日練習をこなしました。その結果高校までで敵なしの強さを誇りましたが、2個先輩の山本聖子選手に勝つことができませんでした。

大学進学とともに栄コーチに指導者がバトンタッチされました。しかし入学して半年は吉田選手は泣いてばかりでした。練習がきつい、寮生活になじめないなど毎日が朝から晩までつらくて仕方がなかったそうです。当時の吉田選手は、栄コーチ曰く敬語が使えないなどの精神的な幼さもあったとのことです。さらにはじめてのフィジカルトレーニングや苦手なランニング、不慣れな雑用などで精神的に参っていました。しかし栄コーチの愛の鞭は厳しく指導していきました。また食が細く好き嫌いがある吉田選手の食生活にも指導は及びました。

そして大学1年生の12月。ライバルで歯が立たなかった山本選手と終盤まで有利な状況で試合ができるまでになりました。しかし最後逆転負けとなったところ、栄コーチの平手打ちが吉田選手に入りました。勝利への執念が足りないという厳しい言葉と鉄拳制裁に吉田選手は3位決定戦の直前まで1時間以上泣き続けました。

そこから勝利できるようになっていきましたが、吉田選手の輝かしい経歴の裏には、何度も逃げ出したくなるようなつらい日々の積み重ねがありました。

感想

吉田沙保里選手の明るさと真面目さもさることながら、栄コーチという名コーチを持つことができたことが吉田沙保里選手の実績の秘訣だと思いました。こんな吉田選手でも一人で努力することは限界があります。その限界をコーチである栄さんが適切に課題を設定し、それを超えるために叱咤激励することで、最強の地位を守り続けたのだと思いました。

私は怠惰な人間で1人では追い込むことができません。そのため周りが設定してくれた困難や逆境を喜び、自分の成長の糧にしようとポジティブなエネルギーを得ることができました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

また次回のブログでお会いしましょう。