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今回は『眠れなくなるほど面白いギリシャ神話』の感想をまとめます。
以前からファンだった「眠れなくなるほど面白い」シリーズを読破しようと、お盆に借りたうちの1冊になります。アニメの元となっている内容も多く、非常に面白かったです。ぜひご覧ください!
目次:
本の概要
日本のアニメやドラマでも耳にする単語が目白押しのギリシャ神話。本書では下記4章構成で、ギリシャ神話の概略から各神々のエピソードまで網羅されています。
- ギリシャ神話って何?
- 世界の始まりと神々の胎動
- オリュンポス神族の時代
- 英雄たちの物語
本書の最初にはギリシャ神話に登場する主な神・英雄・怪物たちの系図がまとめられています。それによって、神なのか、巨人族なのか、人間なのかなど整理して理解することができました。
ヘベレケの語源
お酒の席で「もうヘベレケになってるよ」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?
「ヘベレケ」とは意識や記憶を失うほど飲んだ状態のことを指します。
この「ヘベレケ」の語源がギリシャ語にあるという説があります。へーべーのお酌という「へーべー・エリュエケ」が短縮されたというものです。この説が確かかはまだ議論の余地がありますが、意外なところにギリシャ神話とのつながりがあることが分かり、興味深かったです。
日本神話との共通点
ギリシャ神話ができた時代と日本神話ができた時代は1000年以上も離れているとされますが、多くの共通点があります。
1つ目は最初の神々には性別がなく、単独で別の神を生み出すことができます。その後神々の子どもが神となりますが、最初の起こりでは1柱の神がそれぞれ出現していきます。
2つ目は冥界の食べ物を口にしたことに穢れです。ギリシャ神話では大地の女神であるペルセポネが冥界の王ハデスに冥界のザクロを食べさせられ、地上で暮らす期間を制限されてしまいました。日本神話では、イザナギの妻イザナミが、黄泉の竈で調理した食べ物を口にしたため、黄泉の国から出られなくなりました。
3つ目は禁忌を犯した罰によるすべての喪失です。ギリシャ神話ではパンドラの箱のエピソードがあります。人間に火を与えたプロメテウスを懲らしめるため、ゼウスが彼の弟であるエピメテウスのもとにパンドラという女性を向かわせました。パンドラはゼウスから授かった箱をもってエピメテウスに嫁ぎ、そのパンドラが授かった箱を開けてしまい、世界に災いが蔓延することになりました。
一方日本神話では、黄泉の国にいったイザナミの腐敗した姿をイザナギが見たことによってイザナミの怒りを買います。その結果「1日1000人の人を殺しましょう」とイザナミの呪いがかかることになり、人に寿命が発生しました。
時代も場所も離れているギリシャ神話と日本神話で共通性があることは非常に面白いと思いました。まずは全知全能の創造主を始まりとして考えた後、同じ思考プロセスで現世の厄災の発生などを理論づけるしかなかったんだなと思います。哲学的になりますが、もしどちらの神話も知らないときに世界の成り立ちを一人で思考した場合、自分も同じようなストーリーを描くのか試してみたかったです。笑
感想
アキレス腱やテセウスの舟、ナイキ(NIKE)、パニックの語源など現在の生活のいたるところにギリシャ神話がモチーフの名前があることがわかりました。日常のちょっとした会話の引き出しにしまっておいて損はない、そんな小ネタが満載で非常に良書でした。1~2時間ほどで読めるボリュームになっているので、ぜひ興味のある方はお読みになることをおすすめします!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
また次回のブログでお会いしましょう。