27歳からのどっこいしょブログ

会社員。ブログ歴2年目。現在29歳。国際結婚。長野県。読書感想や思ったことを記録していきます。

【読書感想】日経ビジネス『どこへ行く日産』を読んで PART2

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日経ビジネス表紙『どこへ行く日産』

 当記事にお越しいただき、ありがとうございます。

今回は2020年6月29日発行分の日経ビジネス『どこへ行く日産』を読んだ後半部分の感想をまとめます。

前回は日産が20年ぶりの6000億円の赤字をだしたこと、その原因はシェア拡大路線の弊害による『車齢の長さ』であること、日産復活のカギは『技術力』であることを述べました。詳しくは下記リンクよりご確認ください。

www.jiujingrentang.com

今回はもう一つのカギであるルノーとのアライアンスと、日産の企業体制変革への期待、最後に内田社長のインタビュー内容をまとめます。

20年前同様V字回復なるか⁉ぜひご覧ください!

 

目次

 

PART3:日仏アライアンスの行く末

アライアンスの出資状況

アライアンスの出資状況

日産復活のカギを握る1つの要素がルノーとのアライアンスです。

1999年、2兆円を超える有利子負債を背負い倒産寸前だった日産をルノーが救う形で始まったアライアンス。アライアンスの目的は購買や開発などを共同化することでコスト削減をしたり、販売地域のダブりをなくすことなどでした。

14年の時点ではルノーと日産は「研究・開発」「生産・技術」「購買」「人事」の主要な4機能を統一するコンバージェンス組織を設立しています。しかし統合はうまくはいきませんでした。途中まで進めていた開発を止めて、他社の車のプラットフォームに沿ったものを作ることを賛成する雰囲気はありませんでした。

その結果、ブラジル市場向けの車は、ルノー工場で作っていたものと、日産の新工場で独自に開発したものとの複数のプラットフォームが生まれました。ルノー、日産、三菱自動車の3社の要であったゴーン氏が逮捕されると、アライアンスの空中分解の危機が迫りました。

しかしながら、コロナによる状況変化がアライアンスにとって追い風になりました。日産だけではなく、ルノーも約169億円の赤字、三菱自動車も258億円の赤字。3社共通してコスト削減を行わなくてはいけない状況になったことで、アライアンスの崩壊は免れました。新たな枠組みとして、地域、開発、商品ごとに先導役となる「リーダー」とサポート役の「フォロアー」を決め、従来よりも効率的に投資していくことにしています。2025年までにこの枠組みを半数のアライアンスモデルに適用し、開発コストを40%減らすことを目指します。

アライアンスの新枠組み

アライアンスの新枠組み

 

EPILOGUE:謙虚さと社会貢献の原点に戻れ

日産の歴代世界初技術

日産の歴代世界初技術

日産の電気自動車『リーフ』。それが災害時に電力供給の一助を担うことをご存知でしょうか。停電時に地域のごみ処理場などで発電できたとしても、電線が切れたりした場合の給電方法がありませんでした。そこで日産の販売店が地元貢献の形で各地方自治体に話を持ち掛け、有事の際は『リーフ』を使って給電する形ができました。

「人々の生活を豊かに」というビジョンを日産が掲げたのは2000年前後ですが、それより前から社内にはその精神自体はあったといわれています。また日産は世界初の技術を多く世の中に輩出しています。雨の強さによって速度が変わる「オートワイパー」や、サイドミラーを電動でたたむ「デンカク」。近年ではバックの際に上から見下ろすようにモニターに映る「アラウンドビューモニター」を世に出し、駐車に苦手意識のあった人々の救いとなっています。

99年の赤字から「日産リバイバルプラン」で回復するにつれて、傲慢さが大きくなってはいなかったでしょうか。販売店に在庫を押し込み、取引先に過度な値下げ要求を行う。顧客の声に耳を傾けず、社内政治に奔走する。これから復活するためには傲慢さを捨て、社会への新しい貢献の仕方を探る必要があります。

内田新社長インタビュー

19年12月に社長に就任した内田社長。これからの日産の展望を語ったインタビューを見てみましょう。

日産の力はこんなものではない

社長就任以来、(計画や予算策定の)プロセスをかいぜんしてきました。チャレンジャぶるな目標を共有し着実に積み上げていくスタイルに転換していきます。21年に営業利益率2%以上という設定で、過度なストレッチを入れず、対外的に言ったことを確実に実行する。(無理しがちだった文化を)根本から見直していきます。

社員には危機感が相当ありますよ。我々経営層に「事業構造改革を断行する覚悟はあるのか」と言ってくる人もいます。一人ひとりが(革命を)進めるという気持ちになってもらうため、コミュニケーションは意識して深めていきます。日産の力はこんなものではありませんよ。

V字回復は狙わない

20年の世界需要は前年比15%~20%下がるとされています。各地域の動向や車種の投入時期も考慮した上で、23年度に営業利益率5%、21年度下期のフリーキャッシュフロー黒字化を目標に掲げています。V字回復を狙うのではなく固定費をしっかり押さえ、販売の質を確実に高めていきます。これまでは古い車に販売奨励金を出し、それが日産のバリューを毀損していました。また固定費を削減するためスペイン工場の閉鎖を行いました。生産能力も2割減の計画からは変更ありません。

日産の強みはダイバーシティ

 日産の強みはダイバーシティーです。多様な文化を受け入れる土壌があり、状況に対する順応性が高い。そして、この力が強く、ポテンシャルがあります。ベクトルが合えば、日産は必ず成長軌道に戻ると思っています。

日知人の生活を豊かにしたいというのが我々のビジョンです。それを実現するための技術や情熱、創造性、ブレークスルーが日産の持つDNAです。世の中に新たな価値を提供してきた日産がこのレベルであってはならない。個の能力はあるのです。提供するバリューを」高め、認めてもらえるようにする。結果を出さないと、経営陣がいる意味はないと考えています。

感想 

よくニュースで日産とルノーのアライアンスについて耳にしていましたが、それがどういう経緯で始まり、何が課題だったのかが理解できました。

フランスが自動車産業を重要視していること、そして日産の技術を取り入れることでフランスの自動車産業を守ろうとしていることが背景にあることがわかりました。しかし日本としても自動車産業は多くの雇用と税金を生み出す大切な産業であるため、フランス側が日産の持ち株比率を増やすことに敏感になっています。今回の日産自動車の特集からは飛躍してしまいますが、自分ももっと国のことに意識を向けてみようと視座が高まった気がします。非常に有用な記事でした。

また内田社長については、非常に堅実な方だという印象が残りました。危機的状況では合理的なことを徹底的に遂行できるトップが強いと思います。その意味でセンセーショナルな目標を掲げず、有言実行を第一とする内田社長は好感が持てました。ただしまだ決算がでていないため、ひとまずは21年下半期のフリーキャッシュフロー改善と営業利益率2%以上という数値目標の結果を楽しみにしたいと思います。

尚、インタビューや記事の中だけでは日産がどう生まれ変わっていくのかというビジョンは見えませんでした。確かにこれまでの自動車メーカーとしての改善はあります。固定費を削減し、新製品を短いサイクルで投入し、販売の質を上げる。きわめて合理的な教科書通りの打ち手です。ただし、100年に1度の大変革期と呼ばれる昨今においては、もう一歩先の価値提供を見せてくれることを期待したいと思いました。

最後に:今週の本 紹介

日経ビジネスで紹介されている話題の本を私の備忘録として載せます。

気になる本があれば、感想をブログにアップする予定です!

皆さんも気になる本がありましたら、ぜひコメント欄で教えてください。

  • 白人ナショナリズム
  • 分断されるアメリカ
  • ヒルビリー・エレジー

 最後までご覧いただき、ありがとうございました。

また次回のブログでお会いしましょう。