27歳からのどっこいしょブログ

会社員。ブログ歴2年目。現在29歳。国際結婚。長野県。読書感想や思ったことを記録していきます。

【読書感想】日経ビジネス 『コロナを超える スタートアップ』を読んで

日経ビジネス表紙「コロナを超える スタートアップ」

2020/6/1発行分 日経ビジネス表紙

当記事にお越しいただき、ありがとうございます。

今回は2020年6月1日発行分の日経ビジネス『コロナを超える スタートアップ』を読んだ感想をまとめます。

コロナウイルスの影響がスタートアップ企業にも資金調達難という形で押し寄せてきています。未来の成長の種となりえるスタートアップはどう困難に立ち向かうのか、それを支援する大企業の姿勢とはどうすべきか。

Withコロナ、Afterコロナを考えるきっかけにぜひご覧下さい!

 

目次

 

PART1:スタートアップの資金繰り

新型コロナの影響がスタートアップ企業の資金繰りに打撃を与えています。さらに投資家においても出資先のベンチャー企業の価値の下落に苦しんでいます。

そんなスタートアップの資金事情を見てみましょう。

スタートアップへの投資抑制

スタートアップへの投資件数推移

スタートアップへの投資件数推移

今ベンチャー企業への投資活動が抑制されています。

留学生向けにオンライン学習や就職活動などのキャリア支援サービスを提供するスタートアップLinc。2020年に入ってから資金調達を行うべく、ベンチャーキャピタル(VC)のもとを回っているとある変化を感じました。

「2018年頃はベンチャー企業家は夢やロマンがあればある程度の資金調達はできた」と振り返ります。しかしコロナショックの影響を受け、投資家は損失を回避すべく足元の業績や黒字化のめどといった短期的な指標を重視するようになりました。そんな中最終承認の直前でNGがでるケースや、何とかして既存の投資先からの追加融資を受けることができた企業などが多くあります。

新型コロナのワクチンや治療薬が確立し、世界にいきわたるまでに数年を要するといわれています。その中でスタートアップへ投資する件数自体が減少してきており、北米、アジア、欧州のいずれの地域でも前年度同四半期よりも下がりました。

スタートアップ企業の企業価値下落

国内で上場を延期した企業一覧

国内で上場を延期した企業一覧

ソフトバンクグループが5月18日に発表した20年1~3月期の連結最終損失「1兆4381億円」。日本国内の四半期の最終赤字として最大を更新した記録的な数値です。中身は出資するシェアオフィス運営企業ウィーワークの価値が▲4800億円目減り、さらに3月には筆頭株主だった英衛星通信会社ワンウェブの経営破綻もありました。日本きっての投資ファンドだったソフトバンク・ビジョン・ファンドも今回のコロナエフェクトにより投資金額を絞る予定です。

また事業会社がスタートアップ企業に投資するコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)も抑制傾向にあります。その影響によりスタートアップ企業の企業価値が下落しています。事業会社も本業が打撃を受けている中でなかなかほかの企業への投資にまで手が回っていません。また投資回収としてのIPOやM&Aが詰まっており、出口戦略が見えづらいことも、投資減少の理由となっております。

しかしながらこの厳しい状況のなかで「ニセモノ」は淘汰され、真に実力のある新しい勢力が台頭してくることでしょう。

DATA:スタートアップと投資家の本音

スタートアップ企業へのアンケート

スタートアップ企業へのアンケート

投資家へのアンケート

投資家へのアンケート

スタートアップ企業と投資家へのアンケート結果です。

スタートアップ企業のアンケート結果では約4割の企業が半年先までの運転資金しかないことを回答しています。また2020年の追加投資についても6割ほどの企業が影響を受けていると回答がありました。

一方の投資家のアンケートでは、CVCの6割以上が投資額を30%以上減らすと答えています。しかしながらVCは4割が30%以上の減額という中でも25%ほどは昨年よりも金額を増やすと回答がありました。

PART2:生き残りをかけたスタートアップ

資金繰りが厳しくなり、生死をかけた戦いに挑むスタートアップ企業。しかしスタートアップならではのフットワークの軽さを活かし、Withコロナをうまく渡り歩いている企業も存在します。

対応するスタートアップ企業

植物由来のプラスチック製マスク「Bio Face」

植物由来のプラスチック製マスク「Bio Face」

石灰石などのを原料とするプラスチック代替材料「LIMEX」を開発するTBM。企業価値が10億ドル(約1100億ドル)を超えるユニコーン企業の1つです。高まる環境意識を追い風にさらなる成長をしようと目論んでいた中で、コロナウイルスの蔓延がおこりました。

そんな中山崎CEOはコロナ後の社会を「欧州を中心に環境への意識は高まり、石油由来の使い捨てマスクは使われなくなるのではないか」と考えました。そこで植物由来のプラスチックでできた洗えるマスク「Bio Face」を作成。今では国内外の300社超から商談が舞い込んでいます。

ある企業では「新しい生活様式」に舵を切り、商機を見出した企業もあります。

チケット販売やマッチング機能などイベント運営の支援サービスを提供するEventHub。コロナによって、セミナーや展示会といったビジネス系のイベントが軒並み中止になるなどの被害を受けました。しかし「1年ほどリアルイベントが開催できないかもしれない」と腹をくくった山本CEOは、オンラインイベントの運営を支援するサービスの開発に着手。社内メンバーをその新規オンラインサービスの開発に配置換えを行い、1か月足らずで無料版サービスを準備し、4月には有償版を正式販売しました。

人生体験談投稿サイト「STORYS.JP」を運営する1010。登録不要で使えるオンライン飲み会ツールの「たくのむ」を3/28に公開しました。もともと19年末には構想を練っていたサービスですが、3月28日の朝に思い立ち、その日の夜にはローンチするというスピード感で達成しました。

元々新しい生活様式にマッチするサービスを手掛けていたスタートアップにとっては、コロナショックは追い風になっています。音声解析できるクラウド電話サービスを手掛けるRevComm。営業担当者がかける電話内容を録音して、話す速度、会話のかぶせ率、やり取りの回数などを分析し、電話による商談のレベル向上につなげられるサービスを提供しています。他社への訪問が難しくなった企業から注目を集めています。

耐えるスタートアップ企業

耐えるスタートアップ企業の打ち手

耐えるスタートアップ企業の打ち手

新しい生活様式に合わせるだけではなく、コロナが沈静化することを耐えるスタートアップ企業もいます。

レジャー・体験予約サイトを運営するアソビュー。コロナ前はIPOを目指すまで成長していました。しかしコロナショックにより4月の流通総額は計画に対し5%しか達成していません。そんな中販管費を絞ると同時に行っていることとして、コンサルティングサービスです。しかも社員30人ほどをコロナの影響が少ない業界(コンサル)に出向させています。

インバウンド向けのサービスを行っていたWAmazing。コロナにより旅行者が激減したことにより打撃を受けています。そんな同社の対応は、4~7月の役員報酬カット、フリーランスエンジニアとの業務委託解除、サービスの一時停止です。コロナ後の成長を考えると人材を削減するわけにはいかないため、行政の翻訳業務などの新規事業を受注しています。

旅行・レジャー系のスタートアップ企業も力強く耐え忍んでいます。

PART3:大企業の役割

コロナショックの中でもスタートアップとの競合を積極的に行い、明日への投資を行うべきである大企業。ピンチの時にこそ次なる成長への自発的な投資が欠かせません。

セイコーエプソンは4月1日のシェアオフィス[WeWork神田スクエア」内で、CVC「エプソンクロスインベストメント」を立ち上げました。総額50億円を国内外のスタートアップに投資します。プリンター事業はペーパーレス化の進展で市場の縮小が続きます。そこで活路を見出すためにインクジェットなどのコア技術の水平展開です。同社は開発から販売までを一手に担う垂直統合型にこだわってきました。しかし新たな応用を探るため外部や協業者との連携を強めていきます。

そのほかにも伊藤忠商事やKDDIなどもコロナ下でも前年度同様の投資活動を行う方針です。日本企業の投資が縮小すればアフターコロナでの経済のつまづきは大きくなります。M&AやCVCを中心に企業に投資する気概を大企業は持つべきでしょう。

私の感想

投資マネーのシュリンクの原理や原因がイメージできました。

投資活動が冷え込むことによって、株式市場は下落することが予想できました。現在は日本への投資マネーも流入し、円高傾向に向かっていました。しかしながらそれは現在の日本が比較的コロナウイルスの影響を鎮静化できたことによる安全性が評価されているのではないかと思います。そのため、アメリカの第一波が落ち着いたころには再度アメリカの株式市場に投資マネーが流入し、円安かつアメリカ株の上昇が起きうるのではないかと思いました。

またWithコロナの時代にある程度の企業は選別されることがわかりました。環境の変化に適用しながら次の新しい生活様式を作り出すサービスをもつ会社を引き続きウォッチしていきます。

自分の働いている会社においてもどのようにWithコロナ、Afterコロナにあったサービスを提供できるのか考えていきます。現時点ではめぼしい案は思いついていませんが、環境負荷低減によるもの、シェア、遠隔でのコミュニケーションの利便性向上、工場の生産性向上などをキーワードとして引き続き探していきます。

最後に:今週の本 紹介

日経ビジネスで紹介されている話題の本を私の備忘録として載せます。

気になる本があれば、感想をブログにアップする予定です!

皆さんも気になる本がありましたら、ぜひコメント欄で教えてください。

  • 『スマートマシンはこうして思考する』
  • 『IBM 奇跡の"ワトソン"プロジェクト:人工知能はクイズ王の夢を見る』
  • 『謎のチェス指し人形「ターク」』

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

次回のブログでお会いしましょう。