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今回は『アメリカの高校生が読んでいる投資の教科書』の感想をまとめます。
アメリカの高校生が読んでいる~シリーズの4つ目です。株式や国債、FXなどの基本的な事柄が体系的に理解できる良い本でした。ぜひご覧ください!
目次:
本の概要
本書は投資を行う上で知っておきたい知識を下記項目に分けてまとめています。
第一章 投資へのジャンプスタート
- 貯蓄
- 市場
- 教育
第二章 金融市場へのジャンプスタート
- 投資
- 金利
- 長期金利
第三章 株式市場へのジャンプスタート
- 株式市場
- 株式投資
- 投資信託
第四章 海外投資へのジャンプスタート
- 外国為替市場
- 為替レート
- 外国為替のセオリー
- 外国への投資
それぞれの項目について6~10ページほどでまとめられており、非常に理解のしやすい本でした。中でも印象的な内容が、第一章「教育」の点です。前段で流動性が最も高いものは現金であり、逆に投資をすることはお金の流動性を下げることであると筆者は説明しています。そのうえで投資はリスクもつきものであるため、余剰金(日常の生活金以外のお金)で行うことが必須であると説明しています。そして自分の教育へお金を投じることも立派な投資活動であると述べていました。
アノマリーとは?
本書の中で初めて知った単語に「アノマリー」というものがありましたので、紹介します。
アノマリーとは学問的にはまだ証明できていませんが、経験的にはよく当たるという市場の現象のことです。どのようなものがあるか下記に例示していきます。
- 日本が長期休暇になると円高になる
- 株は1月から上昇し始める
- 年度末(3月)の決算を終えた日本株は4月に上昇しやすい
- 小型株で構成されたポートフォリオは、市場平均よりも相対的にリターンが高い
- PER(株価収益率)が低い銘柄は、高い銘柄に比べて収益率が高くなりやすい
- 高配当株は3月後半の権利付き最終売買日に向けて、市場価格を上回る
本書では、長期休暇になった場合、日本の機関投資家がアメリカドルを購入しての取引がストップするため、その結果円高に振れるのではないかと仮説を立てています。しかし、科学的には正しさが証明されておらず、あくまで経験則として確からしいというものです。
私も会社の先輩に、インフルエンザが流行る2月に株価がピークになる、季節性のある株を買って設けている方がいらっしゃいました。これも経験則と自身の仮説からくるアノマリーだと思います。アノマリーに頼りすぎるのは危険ですが、一つの考え方として知ることができて良かったです。
感想
国債の利回りをベースとして長期金利が決定されていること、株式市場における「アノマリー」という概念を知ることができ、非常によかったです。
またアメリカの高校生が読んでいる~シリーズを全種類読むことで経済全般の知識が整理されていきます。中央銀行の役割としてのマネーサプライの調整やその方法、投資と投機の違いなど腹落ちしながら読めました。あくまでも3~5年以上かけてリターンを出す「投資」を行うことにし、欲に目がくらんで「投機」的な銘柄に手をださないようにしようと思いました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
また次回のブログでお会いしましょう。