27歳からのどっこいしょブログ

会社員。ブログ歴3年目。現在30歳。国際結婚。長野県。読書感想や思ったことを記録していきます。

【読書感想】『アメリカの高校生が読んでいる金融の教科書』を読んで

アメリカの高校生が読んでいる金融の教科書

アメリカの高校生が読んでいる金融の教科書

当記事にお越しいただき、ありがとうございます。

今回は『アメリカの高校生が読んでいる金融の教科書』の感想をまとめます。

「アメリカの高校生が読んでいる」シリーズで今回も非常にわかりやすい内容でした。

ぜひご覧ください!

 目次:

 本の概要

本書の構成は下記4章となっています。

  1. 金融機関の経済学
  2. 証券市場の経済学
  3. 国債の経済学
  4. 外国為替の経済学

経済全般の知識ではなく、金融にかかわる事件の詳細にスポットが当たっています。直近のサブプライム問題や、世界恐慌のきっかけとなる「暗黒の木曜日」事件、国債がきっかけでおきたミシシッピ会社事件、アジア通貨危機などが本書で紹介されています。私も知らない事件も多かったため、一般教養として知る良い機会になりました。

ミシシッピ会社事件

紹介されていた事件の中で最も印象に残っているのが、18世紀前半に起きたミシシッピ会社事件です。三大バブルの1つとしても知られるこの事件は、国債がきっかけで起きたミシシッピ会社株式の高騰が招いたバブルでした。

この事件を巻き起こしたのはスコットランド出身のジョン・ローという実業家です。彼はフランス領ルイジアナ植民地などの北アメリカのフランス植民地との貿易を行う「ミシシッピ会社」の経営権を入手しました。またジョン・ローはフランス政府に紙幣の発行の権利を持つ銀行を所有できるように認めてもらいました。

フランスはルイ14世のもと大きな財政赤字を抱えていました。そこでジョン・ローが、フランスの出す国債を買い取り、ローの銀行が発行する紙幣に置き換える計画を立てました。ローが発行した紙幣はフランス国債よりも信用度が高く、利用されていきました。そしてローの巧みなマーケテイングにより、ミシシッピ会社の評価が上がり、株価が高値になっていきました。加えてローは額面割れしている国債を、額面同等のミシシッピ会社株式と交換することを提案します。その結果ミシシッピ会社株を求める人はさらに増え、株価も高騰を続けます。その配当を払うため、ローが発行権を持っている銀行から紙幣をどんどん印刷するようになりました。

その結果、国債が紙幣に置き換えられ、市場では紙幣の流通量が増えてフランスは好景気になりました。しかし、ミシシッピ会社は実際の利益が生み出せておらず、1720年に買付騒ぎが起きるとバブルははじけ、株価は暴落してしまいました。

ジョン・ローの巧みなスキームによってフランス政府の赤字は市民の借金に転嫁されました。またそれまでの金貨・銀貨中心だった貨幣を紙幣中心に置き換えることに成功した人物でした。実力以上の紙幣を発行したことによって、バブルが作られてしまいました。

感想

アメリカの高校生が読んでいるシリーズの全シリーズを読むことができました。その結果、経済活動の基礎やお金の流れ、景気循環などの基本的な知識を身に着けることができました。また、暗黒の木曜日やチューリップバブルなど、経済がどのように発展していったかが事件とともに理解することができ、社会人としても恥ずかしくない基礎力を培うことができたと思います。

今後は自分の仕事や家計において、学んだ知識を活かしたいと思います。経済的な自由を得るためには、労働力・土地(生産設備)・資金が必要であり、どれかが欠けてはいけないことを意識し、その時々で増やすことができる部分を増強していきたいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

また次回のブログでお会いしましょう。