27歳からのどっこいしょブログ

会社員。ブログ歴3年目。現在30歳。国際結婚。長野県。読書感想や思ったことを記録していきます。

【読書感想】『アメリカの高校生が読んでいる資産運用の教科書』を読んで

アメリカの高校生が読んでいる資産運用の教科書

アメリカの高校生が読んでいる資産運用の教科書

当記事にお越しいただき、ありがとうございます。

今回は『アメリカの高校生が読んでいる資産運用の教科書』の感想をまとめます。

資産運用だけでなく、経済全般の話から書かれているため、全体の知識の整理にも有用でした。ぜひご覧ください!

 目次:

本の概要

本書はお金を稼ぎ、運用し、守る方法を下記5章立てで説明しています。

  1. 「お金を稼ぐ」かしこい方法ー収入の巻ー
  2. 「お金を貯める」かしこい方法ー資産運用の巻ー
  3. 「お金を借りる」かしこい方法ーローン&クレジットの巻ー
  4. 「お金を増やす」かしこい方法ー投資の巻ー
  5. 「お金を守る」かしこい方法ーリスクマネジメントの巻ー

2005年のアメリカでは、個人破産者の数が200万人を突破しました。その多くは銀行に口座を作れないアフリカ系アメリカ人やヒスパニック系の住民です。アメリカは小切手社会のため、銀行に当座預金を作れない場合、高い手数料を払わなければ小切手を現金化することができません。またその日暮らしの人々は目前のお金をなんとかするために利息の高いペイデー・ローン(次回もらう給与を担保に貸し付けを行うローン)や、Rent-to-own(月のレンタル料を一定期間払えば、自分の所有物になる方式。月々の支払いは少額だが、結果的に一括で購入するよりも高額なお金を払って商品を得ることになる)で高額商品を入手しています。
日本においても、個人の自己破産者は毎年14万人前後います。お金に対する正しい知識は生活の上で必要不可欠です。以降は私が本書の中で参考になった箇所を3点紹介します。

中央銀行の手口

中央銀行の金融政策として下記3つがあります。

  1. 政策金利操作(民間銀行への貸付金利を操作することで通貨の供給量を操作する)
  2. 公開市場操作(民間銀行と国債の売買をすることで通貨の供給量を操作する)
  3. 法廷預金準備率操作(日銀にある民間銀行の口座の預金準備率を変化させて通貨の供給量を調整する)

中央銀行の目的は物価の安定です。適切なインフレが続くように上記3つの対策をとり、国の景気を調整します。

金融的信用の3C

お金を借りる人は3つのCの能力で信用を計られています。

  1. 返済意志(Character)
  2. 返済能力(Capacity)
  3. 担保(Collateral)

そしてこの3つを基にアメリカでは下記の4つに個人の信用がランク付けされています。

  • プライム・・・長期間にわたり汚点のないクレジット情報(信用履歴)を持ち、18か月以上定職についている。不動産を所有している。
  • ニアプライム・・・過去のクレジット情報に汚点はあるものの、定職に就いており、不動産を所有している。あるいは、賃貸の場合でも長期間にわたって住んでいる。
  • ノンプライム・・・クレジット情報に問題があるが、定職に就いている。賃貸住宅に住んでいる。
  • サブプライム・・・クレジット情報に問題がある。また、職業が安定せず、賃貸住宅に住み、住所を転々とする。

アメリカのリーマンショックの引き金となったサブプライム・ローンの焦げ付きは、この信用の低いサブプライム層に貸していた資金が回収できなくなり、連鎖的に倒産が相次ぎました。日本でも「サラリーマンのうちにクレジットカードとローンは組んでおけ」とよく言われますが、定職で安定的な収入がある身分がどれだけ貴重か再認識できました。

PERからわかる割安株

PERとは株価収益率という指標で、「株価÷1株あたりの税引き利益(=税引き利益÷総株式発行数)」という式で表します。一般的にPERが低ければ、低いほど「株価が割安である」といえます。20倍程度までが適正な数値とされますが、成長が見込まれる企業の場合は高PERでも人気があります。また同業他社との比較も重要です。

PERが割安を示す理由は何でしょうか。本書には掲載されていませんでしたが、私なりにネットなどを調べて考えてみました。

株価は将来の企業価値を反映しています。それに対し、1株当たりの税引き利益は現在の状況を表します。将来の見立てが良いと株価は上がります。つまり、その分PERは高くなります。逆に現在利益が出ているにも関わらず株価に反映されていない場合、PERは低くなります。尚、PERは業界や国ごとに平均値が異なります。業界/国ごとに目安となるPERを頭に入れておくことが最も大切だと思いました。

下記サイトで日本株式市場の業界別PERを参照できます。

www.jpx.co.jp

感想

アメリカの高校生が読んでいるシリーズに共通して書かれていることは、「複利の偉大さ」と「カードローンの危険さ」です。複利の偉大さはいうまでもないことですが、カードローンについては、これほど口酸っぱく言わないとリボ払いやキャッシングなど頼る人がいるんだなと思いました。自分の当たり前を当たり前と思わずに、外部の知識と照らし合わせることが大切だと再認識できました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

また次回のブログでお会いしましょう。