今回は5月13日発行日経ビジネス『売られた社員20の運命』の感想をまとめます。
■要旨:
自分が勤める会社が売却されれば悪い面もあればよい面もある。悪い面は数値指標によるハードワークや出世の道が閉ざされる、給与や出向など待遇面での悪化がある。しかし、良い面として企業の信用度があがったり、業務が改善され、給与アップや働き甲斐を見つける場合もある。売却のタイミングによって、「再建型」か「成長型」の2つに分かれるが、ポイントは「成長型」として売却を行い、従業員の待遇が変化しない、あるいは改善されるように経営者は判断すべきである。
■感想:
売却された企業として私の頭に浮かんだのは、SHARPと東芝デバイスでした。
本誌のなかでは、SHARPは人事評価権のはく奪や徹底したハードワーク等の悪い面が社員にあり、東芝デバイスは逆に自由闊達な仕事ができるようになり、前向きに設備投資をしたりするいい面があったと記載されていました。
その両者の違いはひとえに「再建型」か「成長型」かの違いだと思います。SHARPは再建のため、以前の働き方を変更せざるをえず、買収した企業の力が強いものでした。
一方の東芝デバイスは東芝の中では超優良事業であり、他事業の負債をなくすために利益が投資されていました。ここで売却されたことにより、東芝デバイスの成長のために投資できるようになり、会社として前向きになっています。
今回の内容を読んで、改めて経営者の器が会社の明暗を分けると強く感じました。悪い面として書かれている待遇の変化はある種仕方がないことだと思います。業績が悪化した原因を改善するためには必要な変化だとわかります。ただ、その改革を売却前に自社努力として断行する決断力と先見の明が経営者には必要ではないでしょうか。そういった意味で、ある程度若い者に道を譲るということは重要なのかもしれません。
これからの時代を生き残るために、しっかりと個の力を磨き上げることを継続して続けていきます。
最後に本の紹介です。今回のテーマは対話形式で書いた本です。