27歳からのどっこいしょブログ

会社員。ブログ歴3年目。現在30歳。国際結婚。長野県。読書感想や思ったことを記録していきます。

【読書感想】『How Google Works』を読んで

How Google Works

How Google Works

当記事にお越しいただき、ありがとうございます。

今回はエリック・シュミットさん著『How Google Works』の感想をまとめます。

Googleの元CEOであるエリックさんが、Googleの企業文化や価値観を存分に語っています。仕事だけではなく、生き方としてとらえても参考になる内容も多くなっています。ぜひご覧ください!

 目次:

本の概要と読むきっかけ 

エリック・シュミット氏

エリック・シュミット氏

この本ではGoogleでの働き方を下記6つの項目に分けて語っています。

  • 文化
  • 戦略
  • 人材
  • 意思決定
  • コミュニケーション
  • イノベーション

著者のエリック・シュミット氏は2001~2011年にかけてGoogleのCEOを務めました。1998年にラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンにより共同設立された同社ですが、従業員が200名程度に増えたころ、エリック・シュミット氏が別会社からGoogleに入社し、CEOを行う立場となりました。

創業者と経験のある経営者という立場の中で、エリック氏が感じたGoogleの文化や戦略、人材、意思決定、コミュニケーション、イノベーションの考え方がまとめられています。

ある日図書館に行った際の特集コーナーにこの本があり、Googleの働き方に興味があったため、読んでみることにしました。

文化

Googleの文化として印象的だったものは、「邪悪になるな(Don't be evil)」というスローガンが社員に浸透していることです。インターネットの世界で革新的なサービスを提供し続けるイケイケの企業かと思いましたが、道徳的判断を行う指針が共有されていることは流石だと思います。

実際にGoogleでは過去中国の検閲に協力する検索エンジンを開発し、社員から抗議が起きたり、セクハラで辞任した役員に100億ドルの退職金が支払われていたことに一斉ストをおこなったりしてきました。長いものに巻かれたり、付和雷同のような人材がおらず、一人一人が善悪の判断をし、行動できる自律的社員がいることが分かりました。

戦略

戦略は非常に単純明快でした。Googleの戦略は技術的な差別要因をもつサービスを作ることです。成功の陰に隠れがちですが、Googleではいくつものサービスが立ち上げられ、消えていきました。そしてシュミット氏は、結果が芳しくないサービスは技術的な差別点がなかったと振り返っています。

シンプルですが、結局これしかない。小手先だけのテクニックではうまくいかないと再認識できました。

人材

シュミット氏は最も大切な仕事は「採用」だと語ります。Googleを支えるのは「スマートクリエイティブ」と呼ばれる、自律的に問題を解決し、判断できる人材です。

ある日ラリー・ペイジ氏がGoogleのウェブサイトを見ていると、気に入らない広告がページ上に出てきました。すると彼はそのページを印刷し、「この広告がむかつく!」と手書きで記入し、社員の休憩スペースの掲示板に貼っていきました。するとその次の週に、4人のエンジニアからラリー氏が指摘したページの課題や解決方法をメールで従業員たちに展開しました。

この4人のエンジニアは広告に関する仕事とは別の仕事をしていました。しかし、この掲示をみて、有志で集まり、週末をかけて改善案まで作成しました。「自分の責任範囲外だから関係ない」とはならず、自律的かつ問題解決が好きな人材がGoogleの強みです。

またシュミット氏はGoogleでの働き方に関してハードワークであることも付け加えています。そのため、定時で働くような人ではなく、自分でモチベーションを保つことができ、社会のための課題解決を推進する人材を求めています。もちろんそのために無料の社員食堂やジム・サウナ・休憩室完備の素晴らしい職場環境を提供したり、ほかと比較し高額な給与を与えています。

意思決定

創業者であるラリー氏とセルゲイ氏がいる中で、シュミット氏がもつ一番の役割は意思決定にあると述べています。議論を尽くし、煮詰まったところでチャイムを鳴らし、期限通りに結果を出すことがリーダーの意思決定には必要です。

会議の使い方としても毎日会議を設定し、強制的に時間を設けることで打開策が生まれることもあれば、ある程度情報が出そろったところで決断を下すこともあります。Googleでの働き方というよりも、シュミット氏の働き方として、自分の立ち位置を理解し、最終ゴールを外さないように、場を仕切ることが大切だとわかりました。

コミュニケーション

Googleの特徴として、あらゆる情報がオープンであるというものがあります。取締役会で報告された資料についても、最低限の非開示の情報はふせつつ、その資料を全社員に公開しています。ほかにも社員一人一人の業務の目標管理データ(OKR)も全社サイトに公表されています。それによりどの社員がどんなことをやっているかがお互いにわかるようになっています。また毎週金曜に「TGIF」と呼ばれる全社討論の場があります。そこでCEOに直接意見をぶつけ、全社員で回答を聞く場です。それほどコミュニケーションに気を配っている企業だということがわかりました。

toyokeizai.net

メールについても、即レスが基本とシュミット氏も1項割いて話をしていました。CEOが口を酸っぱくいうことだけで、メールの即レスがビジネスマンにとって基本中の基本であることが身に沁みました。

イノベーション

 Googleでは70:20:10の法則があります。それは現在の主要ビジネスに70%の人員を、儲かりそうなこれからのビジネスに20%の人員を、どうなるか全くわからないビジネスに10%の人員を当てるというものです。

また個人の業務の内容の20%を自分の自由なテーマを進める時間にあてるようにもしています。3M社では同様に15%の時間を割り当てられるようになっていたり、ソニーでも「放課後活動」と題して業務外で自分の作りたいものを作ったりしています。Gmailもこの自由テーマ活動のなかででてきたアイディアということなので、周囲から依頼されている業務以外の自発的な活動が重要であることがわかりました。

感想

前例や過去のやり方にとらわれず、シンプルによいと思ったものを実行していくGoogleの企業文化は素晴らしいと思いました。そしてその企業文化を作っているのは、アメリカという国民文化が背景にあると感じます。

日本で同様な企業を作った場合であっても、同じように優秀で尖った人材は集まらないと思いました。そのため日本企業は日本の文化に合った独自の企業文化を作り上げていくことがよいと思います。昨今のジョブ型雇用の導入についても、グローバル基準に近づける意味では私も賛成です。ただし、日本人の勤勉性が世界との差別化ポイントだと個人的には考えているので、それに合った企業システムを模索していくべきだと思いました。ただし、具体的な案はなにも思いついていません、、笑

また明日からすぐできることとして、「邪悪になるな」と「メールは即レス」を実行していきます!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

また次回のブログでお会いしましょう。