2019年2月11日発行の日経ビジネス『敗者の50年史』の感想をまとめます。
■要旨:1970年代から2010年代に至るその時代の事件を振り返りながら、経営における教訓をあぶりだす。1980年代のバブル期は行き過ぎた金使いを行ったのち、バブルがはじけ銀行ともども企業が倒れていく。90年代は銀行再編、2000年代はダイエーなどの巨大企業の吸収再編、そんな中「物言う株主」村上ファンドやホリエモンなどの新星が現れ、時代を変化させていく。そして10年代の現代は変化のスピードが速くなる中で、自社の存在価値を見つめ続ける姿勢が企業に必要であると結ぶ。
■感想:
その時代時代の事件をまとめてあり、そこから何を学ぶかを噛み砕くことに時間がかかりました。
また、本質ではないですが、平成生まれの私としてはバブル時代の桁違いの金銭感覚や銀行の貸付などを知ることができてよかったです。渡辺喜太郎さんの話や写真をみるといかに日本の景気がよかったか、明るい未来が続くとおもっていたかわかる気がしました。社会全体が経済成長を遂げている国の雰囲気および浮かれ具合が追体験でき、新興国の投資における肌感覚がわかるような気がしました。
また銀行再編の部分はちょうど生まれたころであり、私が口座を作る際は現在の3大メガバンクの形が出来上がっていました。それらの成り立ちや再編における危機感が知ることができ、良かったです。バブルがはじけ、回収不可能な不良債権が増え、銀行が倒産し、再編が起こったという流れが整理できたこと、そして2000年代には巨大企業の体力がなくなっていたこと、変化のスピードが上がり、考え方は欧米的な方向にいき、アクティビスト、コンプライアンス、ガバナンスの強化という動きが出てきたことが理解できました。
今後の社会は環境、持続可能性がメインテーマとして軸を担うと考えられています。また経済の中心が欧米ではなく、中国・インドが台頭していきます。人類を大局的にみて、50年後の社会はどうなるべきか、そしてその社会の実現のために現在どのようなアクションを起こすべきかかんがえる必要があると感じました。
私の考えでは、幸せとは人と人とがつながることだと思います。だからこそインターネットが爆発的に増え、コミュニケーションがとれる携帯電話がこれほどまでに普及したのだと思います。データによって幸せになる、しかもデジタルなもののほうが便利である。そのなかでアナログなメーカーはどうやって価値を提供するのか非常に戦略的に難しいと思いました。
皆さんもぜひ50年後の世界を考えてみてください。