今回は7月1日号発行の日経ビジネス『敵か味方かBAT』を読んだ感想をまとめます。
■要旨:
中国の圧倒的な市場で培い、1.5億人の海外旅行者とともにIT事業も進出させているBAT(百度、アリババ、テンセント)。その背景は中国の国家資本主義による国を挙げたIT技術の活用推進だ。すでに時価総額ではGAFAMに次ぐ存在になっているが、脅威を感じ、その歩みにストップをかけるのではなく、中国のITに相乗りしながら日本のハード技術を提供し補完していくことが重要だ。
■感想:
本記事をまとめることで、なぜ中国でIT化が進んだのかがわかりました。圧倒的な国内市場と、中国共産党による国を挙げた推進です。また本書の中で指摘があった中で、中国のグレートファイアウォールも副次的にプラスに働いたと書いてありました。
たしかに中国に不都合な情報を遮断する目的のグレートファイアウォールでしたが、それによってグーグルなどのIT企業が中国市場にリーチができなくなり、結果として国内の百度やアリババ、テンセントが台頭してきました。これを踏まえると現在アメリカがおこなっているファーウェイの締め出しについても、自国の産業を守る意味では同じことをやり返しているんだと思いました。私としては、技術の発展にブレーキをかけることはやるべきではないと考え、ファーウェイの締め出しは反対だったのですが、目には目をという理論であれば、ある程度の筋は通っているんだなと思いました。(ただしやはり反対ですが。。)
また、圧倒的な市場を持つ、IT人材が多いという点ではインドも共通点が多く、今後台頭してくるのかと考えましたが、中国の国家資本主義のような強烈な推進体制が引けるかどうか、カースト制のあるインドという独特な文化の中で、彼らが中国人のように海外旅行に大勢行くのかどうか、そこは疑問に思いました。そのため、中国のような同じ成長シナリオは一筋縄ではいかないように感じます。
中国人の海外への進出およびそれによる中国のIT文化の進出もすさまじく、デパートにいけばアリペイ/ウィーチャットペイ/中国語による接客など驚きます。今後もITやデータ社会は中国が先頭になり、全世界と提携する可能性が高いと思いました。
最後に本の紹介です。今回は変わるアパレル市場です。
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