沢木耕太郎さん著『深夜特急2・3』を読んだ感想をまとめます。
■要旨:著者の沢木さんの香港からロンドンまでの紀行文前6巻。2ではタイーシンガポールの内容、3ではインドーネパールの内容が記されている。香港の刺激と比較し、タイ・シンガポールでは物足りなさを感じていた著者だったが、インド/ネパールの雑多さや人とのふれあいで再び刺激を感じていった。
■感想:
ゆく先々で出会うヒッピーのひとびととのエピソードに、その時代観を感じることができました。おそらく大学時代に読んでいたならば、ぜひ自分もふらりとアジア圏に旅に出て、自由を謳歌していたかもしれないなと感じました。
また言葉もあまり伝わらない場所での生活や、旅にはつきものの価格交渉など、できないことができるようになっていく感覚がたまらないという著者の考えにも共感できました。また著者の中で自分の行動範囲やしがらみがなくなっていく感覚(例えば現地の人のように手でご飯を食べたり、用を足したりすることなど)が喜びとなっていることも理解できます。この本を読むことによって、いかに自分が常識や現代の価値観にとらわれて物事を考えているかを見つめなおすきっかけになりました。
インドでのエピソードとして、リキシャの男との価格交渉での一場面で、もらった1ルピーをもらってないと言い張られ、結局払わされるエピソードがありました。その後の著者の回想として、そこでぼったくられてもよかったのではないか、ギリギリの生活をしている人にお金を持っている人が適度に多く払うことは摂理かもしれないと述べています。確かに今サラリーマンの私には、その1ルピーを多くもらおうとするバイタリティーがかけています。ギリギリの生活を仮想し、そのうえでさらに稼ぐ、生活を楽にすることを考える必要があると思いました。そのために目標を高めに設定し、期限を決めて、気張っていく生活を少し送りたいと思います。
体験談が書かれている本で複雑な設定や伏線がないため、非常に読みやすく感じます。ぜひ皆さんも読んでみてください。