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今回は『戦争の地図-歴史に残る、世界18の戦い-』を読んだ感想をまとめます。
最近聞いているラジオの影響で歴史熱が高まっており、場所を整理したくこの本を読みました。昔は暗記物として苦手意識のあった歴史ですが、物語性を楽しめるようになると、学び甲斐があると感じます。ぜひご覧ください!
目次:
世界18の戦いはなにか?
本書は古代から現代におきた戦争について、それぞれの時代背景や結果をまとめています。紹介されている戦争は下記の18個です。
【古代】
- ギリシャVSペルシャ軍(紀元前5世紀:サラミスの海戦等)
- 中国 戦国時代(紀元前5~3世紀:長平の戦い、秦の中華統一等)
- アレクサンドロスの東方遠征(紀元前4世紀:イッソスの戦い等)
- ローマ帝国誕生(紀元前3~1世紀:ポエニ戦争、トイトブルグ森の戦い等)
【中世】
- ノルマン征服、イギリス誕生(11世紀半ば:ヘースティングズの戦い)
- 十字軍遠征(11~13世紀:第1次十字軍~第8次十字軍)
- モンゴル帝国繁栄(12~13世紀:チンギスハン ホラズム征服)
【近世】
- 大航海時代の植民活動(15~16世紀:コルテス、ピサロ等)
- 日本 戦国時代(16世紀:関ヶ原の戦い)
- アメリカ独立戦争(18世紀後半:レキシントン・コンコードの戦い)
【近代】
- ナポレオン戦争(19世紀初頭:トラファルガーの海戦等)
- アメリカ先住民の戦争(19世紀後半:リトルビッグホーンの戦い)
- 南北戦争(19世紀半ば:奴隷解放宣言等)
【現代】
- 第一次世界大戦(1914~18年:ソンヌの戦い等)
- 第二次世界大戦(1938~45年:ポーランド侵攻、スターリングラードの戦い等)
- 太平洋戦争(1941~45年:真珠湾攻撃、原爆投下等)
- ベトナム戦争(1964~73年:ベトコン、テト攻勢等)
- 湾岸戦争(1990~91年:クウェート侵攻、多国籍軍等)
特に印象深い戦争3選
上記の18個の中で個人的に印象に残った戦争を紹介します。
①アレクサンドロス東方遠征
アレクサンドロスの東方遠征の魅力は、なんといっても若きアレクサンドロス王の疾走感です。
紀元前336年父フィリッポスが暗殺され、王に即位したアレクサンドロス。この時の年齢は20歳で、野心に燃えていました。即位後すぐにマケドニア軍を掌握すると、ペルシャ帝国に攻め入りました。アケメネス朝ペルシャのダレイオス三世率いる軍と初の戦いとなったイッソスの戦いでは、ペルシャ軍10~20万人に対し、マケドニア軍4万人で勝利を掴むことになりました。アレクサンドロス自ら、コンパニオンという精鋭の騎兵隊を率いて戦い、左翼に突進し、そのまま中央まで襲い掛かりました。
紀元前331年ガウガメラの戦いでダレイオス三世を下し、ペルシャ軍に致命的な打撃を与えると、ペルシャ軍のさらなる東のインド帝国への進撃を開始します。しかしずっと戦いに明け暮れていたつけが回ってきます。紀元前324年、疲弊したマケドニア兵がこれ以上の進軍に反発。アレクサンドロスはやむなく引きかえさざるを得なくなりました。そしてマケドニアへの帰路の途中のバビロンにて32歳の若さで急死することになります。彼の大遠征の中で、アレクサンドロスの名を冠した都市が様々な地方で残されてました。
②アメリカ独立戦争
イギリスの属州扱いだったアメリカ。現在の経済大国アメリカの姿からはイメージが付きませんが、イギリスとの戦いで勝ち取ったことを再認識しました。
1770年代のアメリカ植民地には250万人が暮らし、うち50万人が奴隷化されていました。植民地人のほとんどが農民で、政治的中立な立場の人が大半を占めていました。しかし、拡大化するイギリス帝国の財政を改善するため、1765年にイギリスが印紙法と軍隊宿営法を制定しました。あらゆる発行文書に印紙税をかけることと、アメリカに駐留するイギリス軍の負担を求める法律に対し、アメリカは反発します。「代表なくして課税なし」のスローガンのもと、独立の気運が高まりました。
アメリカの民兵「ミニットマン」とイギリス軍が初めて交戦した戦いが、レキシントン・コンコードの戦いでした。ミニットマンとは1分間で準備できる兵士だったためにつけられた名称です。ミニットマンによるゲリラ的攻撃によってイギリス軍は打撃を受けました。
しかしあくまで修練の足りない民兵だったため、次第にイギリス軍が優勢となる戦いが増えていきました。その戦局を変えた出来事がサラトガの戦いでの勝利とフランスの参戦です。それによりイギリス軍も1781年に降伏し、アメリカの独立が達成されました。
③湾岸戦争
イラクのクウェート侵攻から始まった湾岸戦争。私が生まれた年に終結したということと、この戦争で多くの女性兵も従軍していたことが印象的でした。
埋蔵された膨大な石油を手に入れる思惑で、イラクのサダム・フセインは1990年にクウェートに侵攻しました。国連はイラクに即時撤退を求めるものの、イラクは反対に軍を増強。多国籍軍がサウジアラビアに入り、そののち空爆を行う戦争に発展しました。
多国籍軍は航空機で10万回以上出撃し、イラクの先頭施設や庁舎などに8万5000トンを超える爆弾を投下しました。また「シニア・サプライズ」と呼ばれる超長距離作戦も行っています。この作戦はルイジアナから離陸した7機の戦闘機が空中給油を受けながらイラクを目指し、標的にむけてGPS誘導型巡航ミサイルを発射して帰着するという内容です。総飛行距離2万2500キロ、35時間以上ノンストップでの作戦となります。
空爆により甚大な被害を被ったイラク軍。2月28日には地上戦も行われましたが、3月3日には停戦協定が結ばれました。多国籍軍の戦死者300人以上、イラク側は推定数万人の死者をだしました。
おすすめラジオ紹介
今回本書を手に取るきっかけとなった歴史コンテンツラジオを紹介します。
「コテンラジオ」というネットラジオで、YoutubeやVoicy、Spotifyで聞くことが可能です。私はスマホアプリのVoicyでこの音声コンテンツと出会い、過去回含めて一気に聞きました。その中でもアレクサンドロスや南北戦争、第一次世界大戦などの歴史的背景を詳しく説明しています。加えて、コミュニケーション史やお金の歴史といった複数の出来事をまたぐストーリーをわかりやすくまとめている回もあります。歴史が苦手な人でも抵抗感はない良質なラジオとなっています。ぜひ作業中やドライブ中にYoutubeやほかのアプリで聞いてみてください!
感想
歴史を知る中で、人類の進歩を感じることができます。またモンゴル民族の侵攻や、植民地侵略など当時の人が想像していなかったことが起きており、現在の日常が続く保証はないと改めて思いました。
ドトール創業者の鳥羽博道さんが、「人間の行動の動機で一番大切なことは、危機感をもつこと」といっていました。私は基本的に楽観的であり危機感が低い人間であるため、どの世紀も世界規模で見れば戦争が絶えないこと、現代の技術では開始して1日で空爆などによる都市制圧が可能であることを心に刻み、適切な危機感を持ちたいと思います。
本日もお読みいただき、ありがとうございました。
また次回のブログでお会いしましょう。