27歳からのどっこいしょブログ

会社員。ブログ歴3年目。現在30歳。国際結婚。長野県。読書感想や思ったことを記録していきます。

【読書感想】『三体Ⅱ』を読んで

三体Ⅱ表紙

『三体Ⅱ』表紙

当記事にお越しいただき、誠にありがとうございます。

今回は劉 慈欣 著『三体Ⅱ』の感想をまとめます。

本作品は中国発のSF小説で、『三体』シリーズの第2部目となります。約1年前に第一部を読み、スケールの大きさに圧倒された作品だったため、今回も購入して一気に読みました。ネタバレを含みますが、三体Ⅰの感想ブログも掲載しておきます。

www.jiujingrentang.com

今回の感想もネタバレを含む内容となりますので、ご注意ください。

 

目次:

 

あらすじ:

400年後に地球に攻めてくる、未確認生命体「三体艦隊」。地球の物理科学技術より進んだ知見を持っており、このままでは地球文明が壊滅してしまう。その危機を救うため人類から4人が「面壁者」すなわち救世主として選出される。その1人となる主人公の羅輯(ルオ・ジー)。元天文学者で社会学の大学教授だった彼が、全人類の希望を背負い、時には失望を受けながら、危機を救うSF小説。

三体Ⅱの見どころ:

その①設定の面白さ

小説『三体』を語るうえで欠かせない醍醐味が、設定です。

とにかく人間の想像力の広大さを再認識させてくれます。まず三体文明が地球に送り込んでいる智子(ソフォン)という陽子があります。これは通常は人間の視覚で見ることができません。その智子により、人間の行動を常に監視するとともに、実験結果を改変できる能力を使い、物理学の発展においても人類の進歩に蓋をする役目がありました。

そして三体文明。人類より進んでおり、さきほどの智子を作り出せる科学力を持っている彼らですが、1点だけ人類のことが理解できません。それは人間の思考です。三体文明では効率的に進化した結果、考えていることを口にださなくてもテレパシーのようにコミュニケーションすることが可能になりました。そのため、言葉で表現した内容と頭で思っていることが違うという人間の特性に戸惑います。そのため人間の思考までは智子で妨害することも、覗き込むことも不可能でした。

そのほかにも将来まで自分を保管できる「冬眠」や、光速移動する際の重力に耐えるための「深海状態」などなど、想像に限界無し!と感じるユニークな世界観にどっぷりはまることができました。

その②キャラクターの個性

2つ目の魅力が登場人物のキャラクターです。

第一部から引き続いての登場である「史強」。彼のプロフェッショナルな姿に惚れます。笑 元警官で、主人公の羅輯を幾度となく救う姿はナイスコンビと心から思います。

また羅輯以外の面壁者である「タイラー」「レイ・ディアス」「ハインズ」も魅力的です。主人公の羅輯の退廃的な姿との対比でほかの面壁者の真剣さが伝わってきます。彼らが考える対三体文明の戦い方においても、なるほどと思うものばかりです。自分が全人類の危機を救えと言われて、これほどまで責任感を持ってことに臨めるのかと己を正す心持ちに私はなりました。

その③理系チックな論理構成

3つ目の魅力が理系臭さです。

兎にも角にも、超ロジカル。水素爆弾や宇宙の公理やら理系臭がプンプンする内容です。私は本が好きだったため文系に進みましたが、理系憧れがあるため、この手の本を読んでいるだけで気持ちが高揚します。笑

途中訳が分からなくなって読むのを投げだしそうになりますが、そういうときでも設定の面白さとキャラクターの良さが引っ張ってくれて、最後まで楽しく読むことができました。

感想:

第三部が待ち遠しいの一言です!笑

SF小説の中でも特大なスケールで繰り広げられており、本当に面白い1冊です。私の会社の先輩も昼休みに読み進めていたくらいで、逆に読むとほかのことが手につかないかもしれません。

第一部の三体世界のVR世界という設定も面白かったですし、今回の未来の生活や、羅輯の三体文明との決着の仕方にも痺れました。掛け値なしにおすすめできる本です。

また『三体』がアニメ化とドラマ化されることも決まっているようです。アニメ版は21年、ドラマは22年に配信予定とのこと。21年には第三部の翻訳版も発行されるということで、今後も『三体』に目が離せません。

上下2巻セットですが、買って後悔はしないと思います。

ぜひ皆さんも読んでみてください。